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旬のフルーツリレー便

2017年04月

書評 『アブサンの文化史-禁断の酒の二百年』

▼書評 『アブサンの文化史-禁断の酒の二百年』


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著者 バーナビ・コンラッド三世
訳者 浜本隆三
出版社 白水社
発行 2017 01/15

《19世紀から20世紀にかけて多くの芸術家に愛飲された緑の妖精》
普段お酒を嗜むことのないボクは、本書を通して禁断の酒〈アブサン〉について恥ずかしながら初めて知った次第です。本書は縦軸にアブサンという酒の存在、横軸に名だたる芸術家たちと見事にクロスさせ保存版ともいえる作品に仕上がっております。

世紀転換期の作家、H・Pヒューの「モルマントル」のつぎのくだりがあります。

アブサンの病的な香りが色濃く空気中に漂っている。「アブサンの時間」は、だいたい5時半を過ぎた頃にはじまり、7時半を過ぎる頃に終わる。だが、丘の上では終わりをみない。死を誘うオパール色の飲み物を、ただ飲み続ける。・・・死や破壊をもてあそぶ不気味な快楽こそがそこにあるのだ。

アブサンという言葉は、ギリシャ語の「アプシンティオン」、すなわち「飲めない」という言葉に由来するといわれております。そして、現代人が知るアブサンは、1792年にピエール・オルディネールというフランスの医者が考案したと伝えられています。氏は、アルテミシア・アプシンチウムという植物を発見し、当初は霊薬という万能薬で「緑の妖精」の名として親しまれていたそうです。その後、フランスのぺルノ一族やキューゼニア社といった酒造会社がアブサンを製造し、世間へと広まります。イギリスとスペイン、それにフランスを除くとアブサンは第一次世界大戦までに世界中で禁止されたのである。しかし、フランスでは、第一次世界大戦がはじまるまで、アブサンは相変わらず熱烈に愛飲され続けたのです。

そのアブサンに魅了された画家たちが、エドゥアール・マネ、エドガー・ドガ、ファン・ゴッホ、ピカソetc..アブサンにまつわる絵画とその人物像に迫っていきまので、ボクにとっては非常に神秘的に感じ取れるのです。例えば、エドゥアール・マネの描いた《アブサンの飲む男》とエドガー・ドガの描いた《アブサン》は17年の月日が隔てているにも関わらず、それぞれの時代の感性を、誰でも容易に見て取れるのです。マネはベラスケスを想わせる伝統的な空間対比で人物を配し、他方、ドガの構図には計算づくの即効性があり、スナップショットのようです。詳細については、図版もたっぷりの本書でご確認下さいませ。

また、ボクの大好きな画家のファン・ゴッホにまつわる新説まで飛び出してきます。すなわち、ゴッホの絵画はなぜ、黄色の色調を帯びているのか??それは、アブサンの過剰摂取に起因する視覚障害が原因であるとの憶測が本書では、披露されております。そして、パブロ・ピカソの絵画は、ドガの《アブサン》のような印象派の絵画とは明らかに異なり、ピカソの絵画は、もはや「実生活の一幕」ではなくなり、芸術家の内に秘めたる感情的な世界が、表現されているかのようです。なかでも、ピカソ作《アブサンのグラス》というブロンズの彫刻は本書でも必見です。それは、アブサンの影響を受けて制作された芸術作品のうち、最後の傑作でもあるからです。

他にも、ラファエリ、モンティセリ、ポール・ゴーギァンなどの画家のエピソードも盛りだくさんです。さらには、オスカー・ワイルドやヘミングウェイと詩人・作家と登場します。ところで、アルコール中毒は19世紀末までにフランス社会で社会問題としながらも、その理解はほどんど進んでいなかった時代です。本書の第一章から「とあるアブサン殺人」と題し、アブサンのトレビアを本書の後半に校正した背景には、読者であれば納得することでしょう。

本書の後半には、アブサンをめぐる医療史、アブサンと政治ではレイモン・ポアンカレが主役となり、アブサンと戦争では幾多の犠牲者の一人となった〈アブサン〉を読み取ることができると思います。

絵画鑑賞が近年のマイブームのボクですが、本書を読み進めると「こんな書籍を待っていた!!」と心のなかでは、思わずガッツポーズでした。酔いしれました。サブタイトルにもあるように「禁断」ってなんて書かれていると、人間の性として手にしてしまうものです。芸術好きの方も、それ以外の方もきっと本書に酔いしれることでしょう。
最後に、オスカー・ワイルドいわく

「アブサンは素晴らしい色をしている。緑色だ。一杯のアブサンは。この世のなによりも詩的である。一杯のアブサンと夕陽、両者は何が違うというのか」。

本書は、非常に稀な文化史であり、おススメです。
*本書の表紙は、アルベール・メニャン作の《緑の女神》。詩人が「緑の妖精」の魅力にとりつかれているさまです。

愛媛の柑橘♪『南津海(なつみ)』好評販売中!!


Natsumi
【柑橘・南津海】 産地:愛媛県・宇和島産
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◆品種の特徴・・●交配 「カラマンダリン」  ×「吉浦ポンカン」
山口県大島の柑橘農園で誕生し、1978年(昭和53年)から育成されました。
温州みかんに似ていて、皮は簡単に手でむけて、袋ごと食べられます。
香りもよく、やわらかな果実は多汁で強い甘みにほどよい酸味をもっています。
春から初夏に出回るみかんとして注目されています。

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◎価格 1ケース 約5㎏ 等級・赤秀 サイズ・2L ¥2700-   です。

春から初夏にかけて出回る希少な柑橘♪♪「南津海」
柑橘類は、話題の『テロメア』保持食材です。是非ご賞味下さいませ。

お問い合わせ先:ASAMANA・小林農園浅間サンライン直売店
TEL 0267-24-1483
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書評 『一汁一菜でよいという提案』

▼書評 『一汁一菜でよいという提案』


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著者 土井 善晴
出版社 グラフィック社
発行 2016 10/25


《食べることは、生きること PartⅢ  和食を初期化しよう!!》
『人はこうして「食べる」を学ぶ』『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』、と本書を含め注目の料理本の出版が続いております。それだけ現代人は、お料理をしなくなったのかもしれませんね。(それでは困ります)著者は、料理研究家で広く認知されている方です。父の土井勝も料理研究家であり、著者の幼い頃は、イクメンという言葉もなく「男子厨房いらず」といわれた時代で父親の職をひやかされたそうです。

さて、家庭における米購入の支出金よりもパンの購入代金が上回ったのが平成23年、次いでユネスコ無形文化遺産に「和食、日本の伝統的な食文化」が平成25年に登録されましたが、和食は絶滅危惧種ともいわれております。「一汁一菜」とは、「ご飯、味噌汁、漬物」の幸せのトライアングルです。「なんだ、食のことなどたいしたことでない」、「いちいち関心を持っていられない」そこに落とし穴があると著者はいいます。少し意識することで、その積み重ねによる結果は、未来のいろいろな面において、違ったものになるのは確かでしょう。

「一汁一菜」は、家庭料理ですから本来手をかけないものです。それは、素材を生かすに他なりません。ところが現在、手のかからない、単純なものを下に見る風潮があり、お料理する人の自身のハードルを上げ、苦しめ、そのプレッシャーから加工食品を使うとかする。これでは、逆に手抜き料理になってしまいます。「手をかけること」=「お料理をすること」になってしまっている傾向があります。お料理も暮らしの一部。そして暮らしは毎日同じことの繰り返しです。毎日の繰り返しだから気づくことがたくさんあるといいます。MLBの現役プレーヤーのイチロー選手も毎日のようにヒットを積み重ね、ガッツポーズなど見たことがありません。メモリアルヒットは感無量の表情です。「一汁一菜」という日常は慎ましく、必要最低限の食事で暮らすことが心身ともに心地よいことなのです。よって折角食事を作ったのに「家族は何も言ってくれない」なんてお聞きしますが、これは普通においしいと言っていることと同様だといいます。それは、日常の食事として、当たり前からくる「安心」だと、ボク自身実感しております。

日本にはそもそも主菜と副菜しかありませんでした。すべては「ご飯とおかず」でした。今、副菜的扱いになっている切り干しには油揚げが入っていているし、味噌汁には豆腐が入っています。肉じゃがは主菜になりそうですが、これも野菜がたっぷりで、副菜の要素も入っています。

日本のおかずは、常に主菜を兼ねた副菜があり、副菜の要素を兼ねた主菜であった。

よって「一汁一菜」でよいのです。ところが、ハンバーグを主菜にしたとき、副菜の切り干し大根や味噌汁にもやはり油揚げや少量の肉を入れなければおいしくならないということで、入れる。結果脂質などが摂取過多になりがちになる。五節句や家族のイベント、ご自身へのご褒美!!などは「ハレ」の食事、それ以外は「ケ」の一汁一菜で極論良いのです。それよりも、例えば子どもが部活動から帰った際に、母親の台所での包丁のトントンの音のほうが、「安心」を与える明確で強烈なメッセージになるといいます。結局、日々の食事は、

「何を食べるべきか」、「何が食べられるか」、「何を食べたいか」

になりますが、甘党の方がいくら「ケーキ」がお好きでも毎日では飽きてしまいますよね。「一汁一菜」は、「栄養価値」、「安心」、「おいしさ」の3点セットで上述の〈何を〉すべて満たしております。前述したように「ハレ」と「ケ」を区別する。食べることは常に喜びですから、度を越せば体調を崩し、気の緩みにもつながります。慎ましさを以て、戒めてもいるのです。

これが、一回の食事として、コンビニのお弁当では情報が食べる人と作る人の双方向ではなく、食べる人がそこだけにあって、情報のやり取りが無くなってしまいます。だからこそ、親の料理は「無償の愛情」であり、かつ身体の中に安定して存在する「安心」となるのです。よって料理の評価とは、おいしいとかおいしくないとか(白か黒)ではなく、その料理の性質を瞬間的、かつ正確に読み取ることに繋がります。

日本人には、日本の四季、自然の移ろい、食材の「はしり、旬、なごり」と朽ちていく命に共鳴できる力があります。人間の心を積み重ねて共鳴できる。これが「もののあわれ」=「情緒」です。他国ではとうの昔に失われてしまったものです。和食をとおして、情緒を豊かにする仕組みを持つ、暮らしの基本を持つことができるのです。そのために暮らしの要となる食事=和食の型を持ち、未来に伝承していくことなのです。

一汁一菜から日本人のアイデンティティ!!まで。本書を読んでいると自然と背すじがピンとなる「美しい」書籍です。是非皆さんも手に取って下さいませ。

【関連書籍】
箸はすごい
著者 エドワード ワン

訳者 仙名 紀
出版社 柏書房
発行 2016 06/10

⇓⇓⇓レビュー
http://blog.livedoor.jp/shinshi8848/archives/4653459.html

愛媛・中島便りの春のみかん「カラマンダリン」好評販売中!!


Kara mandarin
【カラマンダリン】 産地:愛媛・松山市千舟町
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◆品種の特徴・・・●交配 「温州みかん」×「キングマンダリン」
カリフォルニア大学のフロスト博士が1915年に交配し育成した品種で、日本へは
1955年に入ってきました。
みかんのように手でむくことができ、果肉はやわらかく果汁が豊富です。
糖度と酸味のバランスのよい柑橘です。

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◎価格  1ケース 約5㎏ 等級・青〇 サイズ・2L ¥3350- です。


「カラマンダリン」を含む、柑橘類は話題の『テロメア』保持食材です。
是非ご賞味下さいませ。

お問い合わせ先:小林農園浅間サンライン直売店
TEL 0267-24-1483
WWW: http://asamana-farm.com/

宮崎県生まれの柑橘、『日向夏ちゃん』好評販売中!!


Hyuganatsu
【日向夏ちゃん】 産地:宮崎県・JA宮崎中央
P1012033P1012046★JA宮崎グループでは、「日向夏」の
目印として「日向夏ちゃん」という愛称で
全国へ出荷しているそうです。




◆品種の特徴・・日向夏は、1820年代に宮崎県宮崎市で偶然発見された比較的古い柑橘
です。来歴はわかっていませんが、「ユズ」の血を引いていると考えられています。
果皮は黄色くなめらかで、白いワタ(アルベド)が厚く、果肉はみずみずしくさわやかな香りと
甘酸っぱさが楽しめます。白いワタは苦みがなく、ふんわりとしてほんのり甘みがあり、果肉
と一緒に食べることにより一層美味しさを体感できます。

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◎価格 1ケース 約5㎏入り 等級・A サイズ・2L ¥3100- です。

この「日向夏」は、全国の生産高の約半分は宮崎県産が占め、高知県では「小夏」
愛媛県では、「ニューサマーオレンジ」とも呼ばれております。

「日向夏」も柑橘類、話題の『テロメア』保持に役立つ食材です。
是非ご賞味下さいませ。

お問い合わせ先:ASAMANA・小林農園浅間サンライン直売店
TEL 0267-24-1483
WWW: http://asamana-farm.com/
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