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旬のフルーツリレー便

2016年01月

書評 『真田丸の謎』-戦国時代を「城」で読み解く

■書評 『真田丸の謎』-戦国時代を「城」で読み解く

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著者 千田 嘉博
出版社 NHK出版
発行 2015 11/10




《城は武器だった!!》
「日本一の兵(つわもの)」と称される、勇将・真田幸村(本名:信繁)」の生涯を描くNHK大河ドラマ「真田丸」。信州は皆さんもご存じのようにゆかりの地。今月17日には「信州上田 真田丸 真田丸大河ドラマ館」がOPENし、盛り上がりを見せております。信州では、第一、二話と視聴率30%を獲得。趣味が多様化した昨今、サッカーW杯、NH紅白歌合戦以外では、なかなか30%超えはない、番組です。それだけ地元愛をうかがい知れます。

さて、慶長19年(1614年)10月、徳川幕府との間で緊張が高まる大坂城に、真田信繁率いる軍政が入城しました。壮麗な「赤備え(精強な部隊の象徴)」だったといいます。真田信繁が歴史の表舞台に初めて登場した瞬間です。

戦国最後の名将、日本一の兵、悲劇の武将とさまざまに称される信繁ですが、城郭考古学者の第一人者の著者は、乏しい文字史料と伝説的な説話によってのみ語られてきた感があると言います。そこで、絵図を読み直し、豊臣時代の旧地形を検討、航空写真を判読した上で、現地・現場・現実を重んじ丁寧に踏査したものが本書になります。

大坂冬の陣最大の激戦が行われた「真田丸」。その真田丸は、大坂城の惣構の門の前に位置していたことから、門の出撃を効率よく行い、効果的な防御を可能にした「馬出し」という施設だったとされていました。これは、武田信玄以来の「甲州流軍学」が得意とした丸馬出しでした。ところが、広島市中央図書館が所蔵する絵図「摂津 真田丸」は、それとはまったく異なっていました。遺跡として残る真田丸は、一級資料です。さらには、信繁の武将としての意思や思考を如実に本書を通しても物語ったているのがおわかりいただけるでしょう。

『浅野文庫諸国古城之図』が収録されている「摂津 真田丸」からは、従来より遥かに巨大だった真田丸が判明し、さらには大阪市博物館協会が平成26年3月にまとめた報告書からは、どうして真田丸を大坂城・本丸の「正面」につくらなかったのかをうかがい知る事ができます。皆さんもご存じのように大坂城において南側がウィークポイントだったわけですが、現実には信繁は大坂城の南東隅につくりました。その理由(わけ)はとは、信繁が大坂城に入城した際には、他の武将から信頼を得るような存在ではなく、真田家は豊臣恩顧の大名でもなく、父・昌幸とともに14年近く高野山麓に幽閉されていたわけで・・・端的に言えば、3000の浪人衆の引き連れていたとはいえ、まだ武将としての実力は未知数だったわけです。

それゆえ、「守りの要」となる上野台地の中央部分ではなく、やむなく大坂城平野口に追いやられた築いたというのが著者の見解です。現代に置き換えれば、社内ベンチャー企業=信繁が築いた城とはいえ、本社がリスクを負うことなく、先端的・実験的に事業をやらされたようなものだったわけです。勿論、武将としてのプライドは当然持っていました。

「6棟の櫓」、「武者走り」、「石落とし」、さらには「障子堀(堀の底が、土塁によって格子状に仕切られている堀で敵兵が掘の中を行き来するのを阻害する)」と孤立無縁だった「真田丸」。徳川軍をフェイクし詰将棋のような様相で鉄砲弾・弓矢、立地を活かした戦略を用い総勢20万ともいわれた徳川軍に圧倒的な勝利をおさめたわけです。

そして、ボクも実際に足を運んでみたいのですが、「真田丸」が実際に現在のどこに存在していたのか?大坂の明星学園から心眼寺にかえた一帯といわれております。岸和田市市長によれば、明星学園から大坂城がはっきり肉眼ではっきりとらえることができるそうです。

本書の第四章では、大名ごとの城の特徴、そもそもの城のはじまり、城の構造や空間構成を把握し、その城の生み出した社会や権力構造を読み解いて、信長、それを引き継いだ秀吉、家康の城から近世へと明らかにしていきます。現在、4万ほど確認されている城。「穴城」でおなじみのわが街・小諸城跡、姫路城、人気の熊本城と存在するわけですが、何故?「有岡城」が注目されているのか?秀吉は何のために二城構えたのか?さらには、「人は城、人は石垣、人は堀」と言った武田信玄はどこで誤ったのかetc..城から垣間見る戦国大名も非常に面白いと思います。

詰め込み型の歴史学ではなく、「賢者は歴史に学べ」のようにその人物像=大名の思考・戦略を城から捉えることでビジネスに直結する箇所も多大だと思います。

書評 『信頼はなぜ裏切られるのか』無意識の科学が明かす真実

■書評 『信頼はなぜ裏切られるのか』-無意識の科学が明かす真実

27552080_1信頼はなぜ裏切られるのか-無意識の科学が明かす真実

著者 デイヴィット・デステノ
訳者 寺町 朋子
出版社 白揚社
発行 2015 12/01


《理屈を知って対処しよう!!》
メディアを通じて配信される日々のニュースなどでは、「信頼」の裏切りがニュースにならない日はほとんどないであろう。ボクにとって忘れもしないのが、東京でのビジネスマン時代のバブル崩壊後、某大手銀行が週刊誌に「破綻」という記事が掲載され、それに端を発し外資系により叩き売りされ破綻に追い込まれた。(それだけの体力以下だった事が後日明らかになるのだが)また、ボクの生業とする「食」に関しても口に入れるだけあって、とりわけ「信頼」第一である。最近のCoCo壱番屋(通称:ココイチ)の破棄した食肉の横流し事件などは、愚の骨頂だろう。前述のように日々の生活において、枚挙にいとまがない。

爬虫類でもないボク達人は、生きていくうえで「信頼」は一生付いてまわる。しかしながらこの「信頼」とは手強い代物である。何故か??人を信頼するということは、自分の運命や成功の一部になり、ともに人の手に委ねることということでもある。よってそこには「リスク」が当然あるのだ。自らの直感を信じるのか?また、口コミなどの他の情報を信じるのか?人を信頼するリスク・・・その地雷を避ける能力が成功には不可欠であり、本書ではそれを科学的にしかも根源的な問題に光を当てているのだ。

本書の面白いのが、「権力と信頼」。これを刺激的に捉えた次の言葉、「人を信頼するのはよいことだが、信頼しないのははるかによいことだ」。前述はベニート・ムッソリーニの言葉だがそうだが、彼は最終的にミラノのガソリンスタンドで処刑されたのち、逆さ吊りにされた。そう、本書によれば上位1%の権力者たちは、人を信頼しない傾向が非常に強い。何故なら他人に頼らなくても生きていけるからだ。ただし「現時点」という条件が付く。これは、誰かを信頼する際にも同様で、「あの人は信頼できるのか」ではなく、「あの人は、現時点」で信頼できるのかを問うべきなのだ。

さらには、「信頼」は単に人とのコミュニケーションだけではなく、あらゆる状況で決断のたびに関わる重要なファクターです。他者や周囲だけの状況だけではなく、将来の自分自身がどう振る舞うのかにおいても信頼のモデルは重要です。誰が言い出したか知りませんが、「人に厳しく自分に甘く」の傾向は本書の研究結果から明らかで、そのような人ほど「へりくつばかり=言い訳」が多い傾向が如実に表れています。自らの意志力は無尽蔵ではないということでしょう。気になった方は、本書でぜひそのシチュエーションに身を置きお考え下さいませ。

上述したように、ボク達はあらゆる状況で他者あるいは自分がどう振る舞うのか「予測」しています。決断を単純化するためのパラメーターが信頼なのが間違いないのだが、その研結果は子どものおいても顕著です。日々接している教師を「信頼」するのか。或いは、その教師が持っている「能力」から信頼するのか。答えは後者です。実は赤ちゃんや幼児は、自らの行動に制限があるため「信頼」を重視し観察眼を輝かせています。この時はママ、この時はパパというように。この事実は何も赤ちゃんや幼児だけではないということです。大人においてもただ誠実だけでは「信頼」を勝ち取ることが難しく、それ+やはり「能力」が加味されます。

本書の後半では、人どころかロボットの身振りや手振りによっても人は相手の誠実さの度合いを無意識に判断しています。無意識に思い込むことは、絶えず変化する現実に素早く対応するための一つの知恵なのですが、
偏見にも注意が必要です。テクノロジーの進化に伴い、たとえば「食べログ」など一時話題となりましたが、とりわけ「白衣効果」には注意が必要だそうです。名前から想像できるように、同じ人物でも白衣を着ていると言動をを信頼してしまう。よって無免許の愚か者が、何年にも渡って偽りの医者を演じていたケースのニュースを時々見かけるわけです。

ボク達の人生のほぼすべての事柄において関わってくる「信頼」。テクノロジーが日進月歩だからこそ、本書はなおのこと一読の価値があると思います。

おでこがチャームなJA天草の「デコポン(不知火)」好評販売中!


先日の列島を襲った大寒波で、1月22日は「かんきつ」が凍る前に柑橘の王国・愛媛県
では収獲に大忙しだったそうです。

さて、おへそがチャームな柑橘が、『ネーブル』。今日はお凸がチャームな柑橘のご紹介です。

Cirtus
【デコポン(不知火)】 産地:熊本県・JAあまくさ
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◆品種の特徴・・デコポンの正式名称は、「不知火」です。「不知火」は、1972年(昭和47年)に
「清見」×「ポンカン(中野3号)」を掛け合わせて、農業・食品産業研究所が育成した柑橘です。
長崎県の口之支場で誕生しました。デコポンは、愛称で不知火が品種名です。

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◆ヘタのある果梗部が盛り上がっているのが特徴で、甘みが強く、ほどよい酸味もあり濃厚な
味わいです。果肉はやわらかくてジューシーで、ポンカンに似た香りを持ちます。
果重の重さは、4Lで約400g前後で、3Lサイズで約280gくらいです。
糖度は13ド以上クエン酸1.0%以下をクリアしたものに「デコポン」と名が使われています。

P1011676◎価格 1ケース 約5㎏ 4~3L(15or18玉)入り 等級・優
¥4280-
 です。

*なお、JAあまくさの「デコポン」は、クオリティの高い順に赤秀
青秀、優、無地となっております。



「高い糖度」+「適度な酸味」+「食べやすさ」で近年人気の天草育ちの「デコポン」を
是非ご賞味下さいませ。

芸術の真冬第二弾!『レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の挑戦』展


当園マネージャーによる「芸術の真冬」第二弾!!今年は日・イタリア国交樹立150年を記念
して開催される展覧会が目白押しです。一昨日は、“影の天才”ヒエロ二ムス・ボスの作品を鑑賞
してきました。そして昨日は、“表の天才”?!といわれている美術展に行ってきました。

場所は、東京都江戸東京博物館で催されている、『レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の挑戦
特別展です。
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◆万能の天才と称される、レオナルド・ダ・ヴィンチ。誰もが思い浮かべるのは『モナ・リザ」では
ないでしょうか。しかし、彼が生涯描き続けたのは聖母マリア、その人でした。現在残レオナルド
の絵画は僅か15点に満たないが、実に半数近くがマリアを描いたものだったのです。
「異端者」といわれながらも聖母像への強いこだわりがあったのですね。では、何故?

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◆それは、レオナルドの生い立ちに関係しているのではないでしょうか。エリート公証人の父と
農夫の母との間に庶子として生まれました。幼いうちに実母とは離別し、父方に引き取られた
レオナルド。その父はその後何人もの女性と結婚・死別を繰り返し、12人の子どもをもうけて
います。その家庭環境にあったともいわれています。

本展では、日本初公開の『糸巻きの聖母』が話題ですが、もうひとつ。それが、『鳥の飛翔に関する
手稿』です。絵とともに人々の好奇心をかき立ててやまないレオナルドの手稿の数々。
天文学、地質学、建築、機械、兵器、そして鳥に憧れ、人の飛行を予見したレオナルドが1505年
頃に記した手稿が『鳥の飛翔に関する手稿』です。

その手稿から、レオナルドの憶測ではありますが、性格診断ができる?のです。
①:秘密主義・・軍事機密のアイデアは手稿に記述せずに、アイデアはレオナルドの頭の中に。
②:努力家・・まともな教育を受けていないが、ほぼ独学で読み書きをマスターしたといわれて
います。イタリア語の専門書など膨大な数、読みこなしました。だからこそ、解剖学も。
③:文字の下に人の顔?のデッサンらしい赤チョークが見えることから、倹約家であり紙を使い
回していた。
④:論理的な文章というより、短い文章が多く、尚且つ前後のつながりも見られない。よって
思考が脱線しやすく飽きっぽい?!

とはいえ、多岐にわたる分野の書物を読み漁り、ラテン語を独習したノートも残り、左手が
不自由になる晩年まで実験し、考察を書き続けました。万能の天才の素顔は、試練と挫折を
繰り返した、“努力の天才”だったのです。

P1011664◎公式図録&絵はがきです。






レオナルドの創造の源泉を知る貴重な資料である手稿は半数以上が紛失したと推定されたと
いわれています。現存するのは6000紙葉ほど。勿論一般公開される機会は希少ですね。

皆さまも“万能の天才”⇒“努力の天才”の作品をぜひご鑑賞してみてはいかがでしょうか。
*なお、この展覧会は2016.04.10までです。
WWW: https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/

ASAMANAマネジャー、at三菱一号館美術館『プラド美術館展』


2016年は、ルノアールを筆頭に、ゴッホ、ゴーギャン、フェル-メール、ボッティチェリ展
etc..美術鑑賞ファンにとっては、大忙しの一年になりそうです。
まずは、昨年から催されている、三菱一号館美術館・ 開館5周年記念の『プラド美術館展』
―スペイン宮廷 美への情熱 を鑑賞してきました。

この美術展のみならず、最終週は、平日でも大混雑でした。

【プラド美術館展―スペイン宮廷 美への情熱】
P1011640
当園マネージャーが、一番好きな美術館が「三菱一号館美術館」です。
関西の美術館には、訪館ことがございませんが・・

1819年に王立美術館として開館した「プラド美術館」は、世界でも
類い稀な質と規模を誇るそうです。
15世紀以降、歴代スペイン王たちの美術への熱意と嗜好によって
蒐集された作品群は、特異なコレクションでした。

スペイン3大画家ともいわれるのがエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤです。
ボクは、ヒエロ二ムス・ボスに大注目でした。



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★中世の暗い森で想像力を膨らませた、ヒエロ二ムス・ボス!身の毛のよだつ怪物が跋扈する
阿鼻吽喚の地獄図、あるいは、虚栄と欲望にまみれて快楽に溺れる地上人々――。人間の尽きる
ことのない罪と罰の世界を、イマジネーション豊かな絵画作品として描き上げた画家ヒエロ二ムス・
ボス。現存する真作は20点と少なく、本人に日記と手紙も残されていないため、いわば“影の天才”
ともいえる存在かもしれません。
異端の一枚は『愚か者の石の切除』です。ネデールラント(現在のオランダ、ベルギー)には、人の
頭に小石が大きくなると愚か者になるため、石を切除すると手術が必要と言い伝えがありましたが、
さて、さて、ヒエロ二ムス・ボスはどうような表現をしたのでしょうか??

P1011629◎今回は、開館5周年からなのでしょうか??
館内でも撮影OK!!(出口にて)

⇐《マリア・ルイサ・デ・パルマ》 です。

その他、『バベルの塔』にも個人的には気になりました。
ときかく、ボスの絵画はフィリップ1世など時の権力者も虜にした
奇想天外なワールドです。

この『プラド館展』は、2016.01.31までです。



P1011646最後は、MYお土産の公式図録とポストカードです。


明日は、“影の天才”から万能の天才”を鑑賞予定です。
皆さんも 芸術の真冬の楽しんでみてはいかがでしょうか?

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