「田中角栄の昭和」 著 保阪 正康 
出版社 朝日新書 ¥945-

 皆さんにとって、昭和の首相と言えば、一番記憶の残っている人物は、誰ですか?ボクは、田中角栄です。しかし、はずかしい事に、この人物は、いったい何者なのかと問われれば、小学校しか、出ておらず、ロッキード事件で悪い事をした人、それくらいの知識だった。
 本書は、田中角栄の生い立ちから、その生涯を文庫で、うまくまとめられている。
 とにかく、ずば抜けた記憶力、先見性、引き際の美学(出る時は、打って出る)10代で、起業した、経験から得たものか、それとも天才か?その判断は、人それぞれだが、ちょうど、ボクが、生まれた頃、田中角栄第一次内閣が、発足した。今太閤、庶民宰相、ブルドーザー付きコンピュータなど、いろいろ呼び名があったようだ。
 しかし、自民党政権は、間違いなく1970年代、田中角栄によって変わったことは、事実だ。
その一つは、金の力。かつて、一昔前、一番集金力がある職業は、政治家といった事を新聞で読んだ事がある。
官僚にも、金が回り、今日の特殊法人などが、その名残だ。そして、もう一つ名残がある。政治家、小沢一郎氏とボクは思う。小沢氏が、田中角栄時代のレジームを継承していると思えてならない。もう、そろそろ、いや早急に、このレジームからの脱却と、真の日本のリーダーが現れることを祈るしかないのか。今は。。。
 事実は、時代の流れか、社会の要請か。田中角栄が、票を集め宰相になった事は、事実である。
 これは、国民の選択であったいうことだ。