▼書評 『ヒトは7年で脱皮する-近未来を予測する脳科学』

ヒトは7年で脱皮するヒトは7年で脱皮する-近未来を予測する脳科学

著者 黒川 伊保子
出版社 朝日新聞出版
発行 2018 12/30







《来るぞ!!本質の時代!!》
はじめに・・・この書籍を手にした理由(わけ)は、小職は前職を7年勤めあげ退社した経緯があったからです。その理由は病気でした。それはさておき本書によれば、離婚経験者に「離婚したのは、一緒に暮らして何年目?」というアンケート調査をした結果、7年目、14年目、21年目という7の倍数の年に、明らかに偏っていたといいます。転職経験者へのアンケート調査でも7の倍数で前述と同様の結果です。どうも、ボク達は何かを始めてから7年目に「一巡した」という、ある種の完逐感が降りてくるようです。また、本書によれば「アトピーは発症から劇的によくなる年回りがある。発症から7年目がそれ」とおっしゃるお医者様もいたそうです。

また、個人的なものとは別に、〝大衆全体に共通にサイクル〝があるといいます。

これこそが〝流行を作り出す〝「この世の謎」の正体

であると。著者は35年に及び人工知能と向き合ってきたといいます。本書の68-69Pに大衆共通のブレインサイクルが掲載されていますが、2019年を生きるボク達は 〈複雑期〉の最終章を生きています。2027年を境に〈簡潔期〉にいよいよ突入することになります。前述の複雑期実は、1999年から始まっております。右脳と左脳をつなぐ「離れたニューロン同士を結び付ける」神経軸索の束=脳梁が活性化している。これを「複雑系認知回路活性型」といいます。たとえば、デザインの感性を見抜きたいのであれば、複雑脳の「曲線」好きと簡潔脳の「直線」好き、複雑脳の「高さ」好きと簡潔脳の「横長」好きを押さえておくといいと著者は述べています。

大阪の「通天閣」の竣工が1956年、その56年後の2012年に東京スカイツリーが竣工していますので、黄金のサイクル約56年(7年×8)でトレンドが違ったかたちで戻ってきています(一周)。さらには驚いたことに、2016年にヤフーは週休3日制の導入を発表しましたが、1960年の56年前にかの松下幸之助が「週休2日制」の導入を口にしていたそうです。56年(7年×8)で歴史を違ったかたちで繰り返すならば、28年で真逆のことが起きているわけです。

2016年の28年前、大衆ドリンクの「リゲイン」のCMにより皆々が口にしていました。それが「24時間戦えますか??ビジネスマン、ビジネスマン」です。昨今でこそ、働き方改革が叫ばれておりますが、1988年のあの時代、いつまでも電気が消えない会社で、文字通りガンガン働いていた時代があったのです。パワハラなんのその、その時代は「簡潔系認知回路」のなせる業だったのですね。

その他にもラグジュアリーブランド・シャネルのトレンド、ウエディングドレス、車の型など

28年で正反対になり、56年で一周する

という黄金トレンドは本書の随所で登場するので、是非書籍でご確認していただきたいと思います。

さて、本書を読み終え、ボクにはパッと浮かんだトレンドが2つあります。まずは、アイドルグループです。今年1月ジャニーズグループの「嵐」が2020年をもってグループとしての活動を休止するというニュースが流れましたが、このアイドル解散や休止はどんどん増えること。2020-2027年が複雑期の終焉期と合致します。その後は、聖子ちゃんのようなアイドル時代の到来になるのかも。。

そしてもう一つ、2027年を境に感性トレンドは、簡潔型の「横長」の時代ですから、都心のタワマン、タワマン(タワーマンション)時代から、たとえば世田谷区や練馬区などで低層階の今より広い広い戸建て住宅に近いマンションを購入又は賃貸で借りることができる時代が到来する!! など2点パッと思いつきました。

繰り返しになりますが、2019年を生きるボク達はトラディショナル期に直面しております。プロの上質定番時代です。雑誌のこれでもかといわんばかりの付録も衰退、ユニクロの多色展開も絞られてくるのかも。。

2027年から突入する簡潔期には、「定型」と「グルーバル」が世界を席巻する

すると著者が断言しております。とりわけ事業家の皆さんは、今ここにない感性を、先へ先へ予測していかなければなりませんよね。大事なのは精神よりも知的好奇心です。

2020年から2035年は使命感に満ちたプロフェッショナルの、
凛々しい“上から目線“こそが、本質の時代です。

著者による「感性トレンド」まだまだ学ぶべきことが、数多くあります。
カバンに一冊この書籍。本書を是非手にとって下さいませ。