▼書評 『テロメア・エフェクト-健康長寿のためのプログラム』
つまり、ボク達の行動次第でテロメアの保持することが可能であり、自分の生き方次第で、次世代に分子レベルの有益な遺産を贈れるということでもあるのです。よって、ボク達の日々の食事、睡眠、運動、体重、ストレス対処法により、老化や健康寿命をある程度まで決定づけられるのです。著者らの研究では、テロメアが短いほど、がんや心血管系疾患で命を落とす確率は高くなる。そして、若い年齢で全般的な死亡率—いわゆる全死因死亡率にも、テロメア短縮との相関が認められました。
著者らのタッグチームは、科学的根拠に基づいて「テロメア」が短くなる要因を平易に解説し、読み手に説いていくます。たとえば、白血球の短い人は(白血球のテロメアは体全体のテロメアに長さを知る尺度になる)長い人に比べ海馬が小さかったそうです。この事実は大脳辺縁系や側頭葉、頭頂葉も同様だそうです。ポタンパクE遺伝子が特定の型である人は、早くにアルツハイマー病にかかる危険が高いそうですが、この特定に方でもテロメアが短い人は、長い人と比較して、早く死ぬ可能性は9倍にもなるといいます。
それでは、ボクは「食」を生業としているので、テロメアにとって良い食べもの、良くないものピックアップしてみよう。細胞にとって、3つの大敵が存在します。①:炎症、②:酸化ストレス、③:インスリン抵抗性 です。
①炎症・・炎症とテロメアの短縮には、片方がもう片方を悪くするという破壊的な相互作用が存在します。炎症はまた免疫細胞の分裂・増殖させる働きがあり、それによりテロメアは短縮してしまいます。
この食材が炎症を防ぐ・・紫などのベリー類、りんご、ブロッコリー、たまねぎ、トマト、さらには、脂肪の多い魚、オメガ3脂肪酸を豊富に含んでいる食材だ。サケやマグロですね。
②酸化ストレス・・ヒトのテロメアは、TTAGGGというDNAの塩基配列から反復してできております。染色体の両端にこの配列が、通常は1000回以上繰り返されています。この連続体にダメージを与えるのが、酸化ストレスです。酸化を防ぐ食材は、柑橘類、ベリー類、りんご、プラム、ニンジン、緑の葉物野菜、トマトetc..です。豆類、ナッツ類、緑茶も抗酸化作用が高いです。ただし、抗酸化作用をもつサプリメントを利用することは、現時点では推奨しておりません。理由(わけ)は、テロメアとの関連において証拠が、まだ存在しないということです。
③インスリン抵抗性・・毎日600cc弱の甘いジュースを飲む人は、テロメアの長さで換算すると4.6年分生物学的に老化が進んでいるという。この事実は、テロメアにタバコがおよぼすのと同規模の害である。この量が一日に200ccだと2年生物学的に老化してたという。すなわち、砂糖入り缶コーヒーを飲みながらタバコを吸っている方は、ダブルパンチということだ。
また、WHOは2015年にレッドミートを「がんの要因である可能性」と発表し、テロメアにとっても加工肉は、悪影響を及ぼします。燻製や塩漬けなど保存処理をされソーセージ、ハム、コンビーフなどがよくありません。本書では、「賢明な食のあり方」と記述されておりますが、詳細については本書でご確認下さい。話題のコーヒーも記述されておりますので参考になることでしょう。また、『腸科学ー健康な人生を支える細菌の育て方』と併読することをおススメします。
本BLOGでは、食にフォーカスし記述しましたが、ストレスの対処法、思考法、最適な睡眠時間や、一日の運動量、細胞の老化は子宮で始まると多岐にわとります。とりわけ介護ストレスを含め、マインドフルネス認知療法にも言及されております。本書は現時点で、皆さんの間違いなく〈最強の家庭用医学バイブル〉でしょう!!もしかすると、電車内で「テロメアが短くなるから、今日〇〇食べに一緒にいくの止めておく」なんて会話が聞こえてきそうです。
おわりに・・ダライ・ラマ14世の言葉
著者 エリザベス・ブラックバーン/エリッサ・エペル
訳者 森内 薫
訳者 森内 薫
出版社 NHK出版
発行 2017-02-22
《ノーベル医学生理学賞直伝!!ぼく等は、ボクらのお医者様!!》
著者らにより、この書籍が世に送り出された時点で◎です。わが国を含め男女の平均寿命が延び、本書のサブタイトルにもあるように願うは、「健康寿命」ですね。また、たとえば「Aさんて、実年齢より若い」や「えっBさんて、あの歳で白髪だらけ」と見た目と実年齢に差があるケースってありますよね。そのキーワードが「テロメア」です。
では、「テロメア」とは 一体何であろうか??テロメアとは染色体のキャップです。靴紐の両端に、プラスチックのキャップがありますが、それに「テロメア」が該当します。染色体を靴紐と想像していただき、その染色体はボク達の細胞の内部にあり、遺伝的情報を運んでいます。テロメアは塩基対というDNAの長さの単位で計測され、ちょうどプラスチックのような働きをします。つまり、染色体の末端の小さなキャップを形成し、遺伝物質(DNA)がほどけるのを防いでいるのだ。人間のテロメアの長さが年齢とともにどのように変化するかは、新生児10,000塩基対、35歳7,500塩基対、65歳以上4,800塩基対といった感じだ。
ボク達の遺伝子は、ボク達のテロメアに影響すること。誕生時のテロメアの長さやテロメアが短縮していくスピードには、遺伝的影響を与えます。しかし、テロメアは人間が介入できるということ。テロメアの長さや強靭さにまでボク達がある程度影響をおよぼせる というのです。
《ノーベル医学生理学賞直伝!!ぼく等は、ボクらのお医者様!!》
著者らにより、この書籍が世に送り出された時点で◎です。わが国を含め男女の平均寿命が延び、本書のサブタイトルにもあるように願うは、「健康寿命」ですね。また、たとえば「Aさんて、実年齢より若い」や「えっBさんて、あの歳で白髪だらけ」と見た目と実年齢に差があるケースってありますよね。そのキーワードが「テロメア」です。
では、「テロメア」とは 一体何であろうか??テロメアとは染色体のキャップです。靴紐の両端に、プラスチックのキャップがありますが、それに「テロメア」が該当します。染色体を靴紐と想像していただき、その染色体はボク達の細胞の内部にあり、遺伝的情報を運んでいます。テロメアは塩基対というDNAの長さの単位で計測され、ちょうどプラスチックのような働きをします。つまり、染色体の末端の小さなキャップを形成し、遺伝物質(DNA)がほどけるのを防いでいるのだ。人間のテロメアの長さが年齢とともにどのように変化するかは、新生児10,000塩基対、35歳7,500塩基対、65歳以上4,800塩基対といった感じだ。
ボク達の遺伝子は、ボク達のテロメアに影響すること。誕生時のテロメアの長さやテロメアが短縮していくスピードには、遺伝的影響を与えます。しかし、テロメアは人間が介入できるということ。テロメアの長さや強靭さにまでボク達がある程度影響をおよぼせる というのです。
つまり、ボク達の行動次第でテロメアの保持することが可能であり、自分の生き方次第で、次世代に分子レベルの有益な遺産を贈れるということでもあるのです。よって、ボク達の日々の食事、睡眠、運動、体重、ストレス対処法により、老化や健康寿命をある程度まで決定づけられるのです。著者らの研究では、テロメアが短いほど、がんや心血管系疾患で命を落とす確率は高くなる。そして、若い年齢で全般的な死亡率—いわゆる全死因死亡率にも、テロメア短縮との相関が認められました。
著者らのタッグチームは、科学的根拠に基づいて「テロメア」が短くなる要因を平易に解説し、読み手に説いていくます。たとえば、白血球の短い人は(白血球のテロメアは体全体のテロメアに長さを知る尺度になる)長い人に比べ海馬が小さかったそうです。この事実は大脳辺縁系や側頭葉、頭頂葉も同様だそうです。ポタンパクE遺伝子が特定の型である人は、早くにアルツハイマー病にかかる危険が高いそうですが、この特定に方でもテロメアが短い人は、長い人と比較して、早く死ぬ可能性は9倍にもなるといいます。
それでは、ボクは「食」を生業としているので、テロメアにとって良い食べもの、良くないものピックアップしてみよう。細胞にとって、3つの大敵が存在します。①:炎症、②:酸化ストレス、③:インスリン抵抗性 です。
①炎症・・炎症とテロメアの短縮には、片方がもう片方を悪くするという破壊的な相互作用が存在します。炎症はまた免疫細胞の分裂・増殖させる働きがあり、それによりテロメアは短縮してしまいます。
この食材が炎症を防ぐ・・紫などのベリー類、りんご、ブロッコリー、たまねぎ、トマト、さらには、脂肪の多い魚、オメガ3脂肪酸を豊富に含んでいる食材だ。サケやマグロですね。
②酸化ストレス・・ヒトのテロメアは、TTAGGGというDNAの塩基配列から反復してできております。染色体の両端にこの配列が、通常は1000回以上繰り返されています。この連続体にダメージを与えるのが、酸化ストレスです。酸化を防ぐ食材は、柑橘類、ベリー類、りんご、プラム、ニンジン、緑の葉物野菜、トマトetc..です。豆類、ナッツ類、緑茶も抗酸化作用が高いです。ただし、抗酸化作用をもつサプリメントを利用することは、現時点では推奨しておりません。理由(わけ)は、テロメアとの関連において証拠が、まだ存在しないということです。
③インスリン抵抗性・・毎日600cc弱の甘いジュースを飲む人は、テロメアの長さで換算すると4.6年分生物学的に老化が進んでいるという。この事実は、テロメアにタバコがおよぼすのと同規模の害である。この量が一日に200ccだと2年生物学的に老化してたという。すなわち、砂糖入り缶コーヒーを飲みながらタバコを吸っている方は、ダブルパンチということだ。
また、WHOは2015年にレッドミートを「がんの要因である可能性」と発表し、テロメアにとっても加工肉は、悪影響を及ぼします。燻製や塩漬けなど保存処理をされソーセージ、ハム、コンビーフなどがよくありません。本書では、「賢明な食のあり方」と記述されておりますが、詳細については本書でご確認下さい。話題のコーヒーも記述されておりますので参考になることでしょう。また、『腸科学ー健康な人生を支える細菌の育て方』と併読することをおススメします。
本BLOGでは、食にフォーカスし記述しましたが、ストレスの対処法、思考法、最適な睡眠時間や、一日の運動量、細胞の老化は子宮で始まると多岐にわとります。とりわけ介護ストレスを含め、マインドフルネス認知療法にも言及されております。本書は現時点で、皆さんの間違いなく〈最強の家庭用医学バイブル〉でしょう!!もしかすると、電車内で「テロメアが短くなるから、今日〇〇食べに一緒にいくの止めておく」なんて会話が聞こえてきそうです。
おわりに・・ダライ・ラマ14世の言葉
「毎日、目覚めるとき、今日は自分が生きていることを幸運だと思いましょう。自分は貴重な
時間を手にしており、それを無駄に使ってはいけないのだと」。
モノが溢れ、誰もが願う「健康長寿」。テロメア戦略をはじめましょう!!
また、改めて新書がBESTだと実感しております。
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