ASAMANA manager's-blog

旬のフルーツリレー便

2019年04月

お知らせ、2019シーズンの春・夏向け「野菜苗」の販売は4月18日より


わが街・小諸城址懐古園の桜が、1輪咲きました。
さて、当園による2019シーズンの野菜苗の販売は、4月18日(木)~
となっております

今シーズンも何卒宜しくお願い申し上げます。

P1015409⇐『浅間山』
2019.04.16  撮影
標高 2,568m




P1015424






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2016年の今年の一皿には、「パクチー」が選ばれましたね。
さて、2019シーズンはどんな野菜が流行るのでしょうか?!

*なお、地元の皆様へは、4月18日(木)の朝刊新聞の折り込み広告へ入ります。
ご覧くださいませ。

お問い合わせ先 ASAMANA
小林農園〝野菜苗〝販売センター tel: 0267-23-5991 (営業期間4月18~6月16日まで)

小林農園浅間サンライン直売店 tel: 0267-24-1483

WWW: http://www.asamana-farm.com/

書評 『セルフドリブン・チャイルドー脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』

▼書評 『セルフドリブン・チャイルド-脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』

チャイルドセルフドリブン・チャイルド-脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方

著者 ウィリアム・スティクラッド+ネッド・ジョンソン
訳者 依田 卓巳
出版社 NTT出版
発行 2019 03/06





人生は視点を学ぶゲームだと考えたい!!
本書は、子育てに関する本格的な実用書です。はじめに・・「新入学・新社会人おめでとう」企画であろう、最近、日本経済新聞の「一歩踏み出すあなたに」の記事を楽しく拝読させていただいている。2019.04/10は「ライフ・シフト」の著者でロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏だ。氏は「医療技術の進展などで寿命が延び、今の20代は90歳、100歳、あるいはそれ以上過ごす」とおっしゃっています。本書を読んだ読了後の端的な感想は、「そんなに生き急ぐな」です。

さて、共著による本書は神経科学と発達心理学の重要な研究が紹介されております。ふたり合わせて60年に及び、子どもを対象とする仕事から得られた知見が書籍では質問、回答形式で随所に公開されているのです。子育て真っ最中という方には、脳科学の視点からもおススメの書籍です。よって本書の巻末には索引があるが、「扁桃体」、「前頭前皮質」、「ADHD」、「瞑想」なる言葉が頻繁に用いられているのです。

まず、子どもたちの生活の中での ストレスを引き起こすもの、その頭文字がN・U・T・S と呼びます。①以前経験したことがない、目新しさ、②想像もつかないことが起きるかもしれない、予測不可能性、③人としての安全や能力に疑問が投げかけられる、自我への脅威、④状況をほとんどコントロールできないと感じる、コントロール感の欠如 になります。では、何故それほどストレスが重要なのでしょうか??活発な思春期の脳は12歳~18歳のあいだ、人の脳は生後数年間を除くどの時期よりも発達します。判断の中枢となる前頭前皮質の認識機能は25歳まで成長を続けるそうです。さらに感情の制御機能が完成するのは32歳頃までです。そこでストレス反応システムが「オン」になりすぎると前頭前皮質は望ましい発達ができなくなるのです。

よって、親の役目の一つが「上司」や「監督」の役割ではなく「コンサルタント」ということにあります。上述した「コントロール感」に繋がりますが、子どもが断固拒否することは、親から強制できない。親が無理にでもやらせなければならないと考えると、うまくいかなかったときにイライラが募る
だけなのです。子育ての基本中の基本は「独裁」でもなく「寛容」でもなく、第三の「民主的」子育ての重要性を本書では説きます。支援はするが支配はしない、民主的な親は子供を愛し尊重するので、子供が親に協力しつつ、みずから経験して学ぶことを望むというものです。よって、支配しないのでよりコミュケーションが重要なことと察しが付くでしょう。よって、ボクも経験があるが、親と子どもの宿題戦争などは、

「これは誰が責任を持ってやること?」「これは誰の問題?」と問いかけ

練習を親がするべきだと。さらには、子どもに問うべき質問は、これは常に子育てで重要な部分なのです。

それはきみが決めること!!

これ、すなわち「行為主体性」なのですね。著者たちは、「私たちが正しい6つの理由」もしっかり述べております。①科学的根拠がある、②子どもは親のいいなりになる身代わりではない、③子どもに「コントロール感」を与えることは、意思決定能力や学習スキルを使いこなす能力を育む唯一の方法、④親がいつも最善のことを知っているわけではない、⑤子どもはやればできる、本当に、⑥すぐれた意思決定には「心の知能」が必要。子どもは自分にとって重要なことを学ばなければならいと。

最近の脳科学の研究では、ティーンエイジャーは自分を不死だとは思っていないということが示されたそうです。つまりは、彼らは自分の行動が引き起こすリスクに充分気が付いているのです。ただ、潜在的なリスクより将来のポジティブな結果をと強く意識し、それを「超合理性」と呼びますが、その点は親は忘れないほうがいいです。

また、親自身が本当に気をつけなけばの視点では、親が子供への心配性は以前よりいまのほうがひどくなっているといいます。それは、以前より情報があるせいです。よって

最新の研究では、子供に愛情を示すこと以上に、親自身のストレスを管理することが、
効果的な子育てにいちばん重要

であることがわかったそうです。「見せかけは通用しない」ということの証左ですね。さらには、これは必ず

家を「安全基地」にする

ことです。何故なら喧嘩や不安やプレッシャーと無縁の穏やかな空間である家は、子供に必要な再生の場になるからです。その上で、子供たちを動かすものは、子供の自発性やモチベーションを発達させる最良の方法は、

上手になりたいことは何か?どんな責任を引き受けたいか

と尋ねることだとも。そうすれば選択の際にできるだけ子供にコントロールさせることになるとも。これを専門用語では「統合的調整」=自己決定論と呼び。子どもが親とつながりを感じ、親からの無条件の愛を伝えられ、「両親は成績よりボクのことを気にかけている」と思い、親の価値観を受け入れやすくするといいます。

そして、ボクたち大人も含めて危惧しなければならないのが、「深い休息」です。50年前の子供は何時間もすることがないと退屈になったかもしれないが、近年、子どもは30秒で退屈を感じるようになったと指摘する心理学者もおります。それがテクノロジーの弊害ですね。だから、著者たちは、本書を読んだ後で、ひとつ試してもらいたいことがある—―—

子供に何もさせないこと

だと。テクノロジーの進歩、激しい受験戦争、睡眠不足による脳へのダメージetc..実は学校環境は変わったが、子どもは変わっていないということ。今日の五歳児の基本的な能力は、1925年の調査開始時の五歳児と変わりはないのです。だからこそ、詰め込みすぎると何度も繰り返しますが、「コントロール感」が失われてしまうのです。

さらに、著者のひとりネッド氏は、ワシントンDCの個人塾〈プレップ・マターズ〉の創始者であるが、飛び抜けて質問が多いのが、

「うちの子は、学校のないときにはゲームばかりしています。どうすればやめさせるでしょう」

です。携帯、SNS、テレビゲームなどなどスクリーンタイムが非常に長くなっている。その証拠に子供たちの視力が悪化の一途だ。視力だけでなく、共感レベルに至っては人ではなく画面を見ることで、子供の共感レベルは、過去30年で大学生レベルで約40%低下したらしいです。その他疎外感、孤独感、疲労、常にメディアにさらされているので、家族会議やコミュニティレベルでの対策を訴えております。解決法などは、是非本書でご確認下さいませ。

また、本書ではADHD、自閉症の子供・親についてもかなり触れていますが、小脳の構造は、脳のなかで遺伝の影響がもっとも少ないとのこと。つまり、遺伝ではなく経験が小脳の機能の鍵だと。そのためには子供は、「遊びが学びに欠かせないわけ」ということになります。この事実は人間に限ったことではありません。すべての種において、遊びの多さと小脳の成長は相関しているのです。つまりは、

脳が成熟する敏感な時期には、刺激のために体全体を使った遊びの動きが必要とされるのです

そして、本書を通してもっとも基本的なメッセージは、

親として「不安のない存在になることに集中する」

ことです。家族みんなで「超越瞑想」もひとつです。親自身が行動する前に、脳が氾濫していないか確認することです。

つまるところ、子どもが「コントロール感」を維持するのを助け、(不安のないコンサルタントとして)子供が充実した人生を導く最良の方法は、次の2つ――—

「本当にしたいことは何?」そして、「ほかの人よりうまくできることは何?」

なのです。冒頭のリンダ・グラットン氏の話ではないですが、人生のどの段階でも学習を続ける姿勢が重要であり、常に自分のスキルを磨き続ける習慣を身につけることの必要性を本書を通して、小職は強く感じました。

子育てに関する一つひとつの解決策を丁寧に丁寧に綴られた書籍です。気になった方は、是非チェックしてみて下さいませ。

【関連書籍】

遊びが学びに欠かせないわけ―自立した学び手を育てる

著者 ピーター・グレイ
訳者 吉田 新一郎
出版社 築地書館
発行 2018-04-07

レビューは、こちら⇒⇒⇒

書評 『逆境に生きる子たち-トラウマと回復の心理学』

▼書評 『逆境に生きる子たち-トラウマと回復の心理学』

逆境に生きる逆境に生きる子たち-トラウマと回復の心理学

著者 メグ・ジェイ
訳者 北川 知子
出版社 早川書房
発行 2018 08/25






よく生きることは最大の復讐だ!!
最大の復讐は、危害を加えた者のようにならないことだ。———マルクス・アウレリウス
毎週のように、いじめ、虐待についてのニュースがネットの影響もありクローズアップされております。「いじめ」と一言でいっても本書によれば、週一回以上の場合に深刻になる傾向があり、大人になってからも、たとえいじめがなくなっても何年、あるいは何十年もの間、うつ病や不安障害が続くケースもあるそうです。本書では、加害者の心理ではなく逆境をバネに育ちながら、人並み以上に成功を収める「スーパーノーマル」と呼ばれる人々にフォーカスされております。著者のメグ・ジェイはヴァージニア大学で准教授と務める傍ら、臨床心理学者であり、専門は成人の発達心理。また、個人のカウンセリングも行っております。

ところで、皆さんはハリー・ハーロウのアカゲザルの研究をご存じでしょうか??彼は生まれたばかりのアカゲザルを母親から引き離しました。檻に入れられた子ザルは、代理母となる2つのマネキンからどちらかを選ぶことができた。一方は針金で作ったマネキンのサルで、柔らかい布がかぶされている。もう一方は同じく針金のサルだが、柔らかい布は無し。どちらにもエサがついている。赤ちゃんザルは、エサを食べるとき以外は柔らかい布のかぶせられたマネキンにしがみつき離れなかったそうです。
このアカゲザルの研究を記述するまでもなく、親の存在というのは子どもとって絶大です。

何十年にも及ぶ研究が明らかにしたのは、子どもたちのレジリエンス(適応力)の背後に隠された秘密

——どんな子どもも、どんなおとなも、本当の意味では不死身ではないという事実

です。

本書では、親の離婚を経験するサム、父親がアルコール依存症のエミリー、学校でも「いじめ」を経験するポール、母親が深刻な精神疾患だったマーラ、兄弟姉妹間の暴力を受けたジェシー、特別支援者の母と幼少期を過ごしたエリザベス、両親を強盗に殺されたナディア、文字通り親から虐待を受けたマーサ、14歳の時にコーチから性的虐待をうけたミシェル、母親が薬物中毒に侵されたベラ、父親が強盗で逮捕されたアントン、幼稚園にさえ通わせてもらえなかったカルヴィン、兄により性的虐待をうけたレイチェル、母親が重度のうつ病を患っていたデイヴィッド、父親が母親に対するDV(ドメスティックバイオレンス)を目の当たりにしたジェニファーなど著者ならではのナラティブ・ノンフリクション(語りを中心としたノンフクション)で綴られております。どの章も感動さえ覚えるレジリンス(適応力)を垣間見させてくれまます。

さらには本書では、マリリン・モンローやバラク・オバマ米国元大統領、テニスプレイヤーのアンドレ・アガシ、脳神経学者のオリバー・サックスなど各界の著名人のエピソードを交え愛情が溢れんばかりの筆致で描かれております。そして、脳科学・神経科学の視点からもトラウマに対するレジリエント(適応力)を綴られておりますので、子育て真っ最中の父母の方々には、とりわけおススメの書籍です。

たとえば、精神分析医のカール・グスタフ・ユングは自伝のなかで、母親がうつ病だったこと、彼自身もうつ病に悩まされ成長したことを明らかにし、「自分の体験を包み隠さず話したことはこれまで一度もなかった」と。また、マリリン・モンローは父親の顔を知らず母親はおそらくは統合失調症で、入院していることが多かったそうです。その結果モンローは孤児院に預けられ、週に5ドルで預かってくれる家庭に下宿人として住み込んでいたこともあったようです。さらには、オバマ元大統領は「孤独こそ私が知っている最も安全な場所だった」と自伝で振り返っています。

本来、子どもにとってほどよい生育環境がBESTといわれております。すなわち、ほどよい安全、食べ物、愛情、平和、規律、監督、役割モデル、注意、愛情、そして子どもたちの世話をほどよく少なくとも一人の親やおとながいる家庭、学校、近隣地域です。さらには、子どもたちが経験する試練は予測可能であるべき文化のなかで正常とみなされる範囲を超えるべきではないというのが、子どもが健やかに育つ環境と言われております。一番厄介なのは、「数珠つなぎのトラウマ」です。子ども人生に何度も何度も影響を与えおとなのなってからもずっと影響を及ぼしうるからです。

それでも、著者が実際のカウンセリングした上述した子どもたちは、レジリエント(適応力)を発揮し、新たな人生を歩んでいるのです。それでは、その再起動(リブート)する原動力とは何なのでしょう??脳は通常「行動するための準備」を扁桃体で整えます。しかし、逃げることもできず、戦うこともできない子どもは、「自分が無力で無防備だと感じ」、一番いいのは落ち着いて、むやみの動かないとことといいます。最も子どもが傷つくのは

心を一番傷つけるのは肉体の痛みではない。これは大人にも当てはまり、子どもを懲らしめるとき、子どもが一番傷つくのは、不正であり、不合理である

この言葉は、大人のボク達には教訓的な文言です。

幼児期の逆境の破壊的な影響を調べたカウアイ島研究やその他から本当にどうやって逆境を乗り越えたかについては、もちろん決まりきったやり方はありません。ただ、その大半が

断固たる決意、つまり〈闘志〉が、彼らにとって最も重要な資産だった

というものです。また、心のなかで秘かに「反撃」する重要性も説いています。虐待の激しさや日々の生活の中で抱く恐怖心の大きさよりも、心のなかでどれほどあきらめずにいるかが、後の苦しみに大きくも影響します。しかし、これはなかなかできるものではないと思われます。ただ、ストレス解消と手段として情動の良し悪しを判断するのではなく、普遍的な情動それぞれが独自な重要な役割を果たすと研究者は指摘しております。すなわち、喜びは、すべてがうまく行っているときに人生を楽しむことを許す情動だけれども、他の情動、たとえば「怒り」を、適応のための価値を持つ情動をして理解し始めている研究者もいるくらいです。その結果、

とにかく動くこと。これは世界中のトラウマ体験者にとって、唯一の最も重要なゴール

であると。スーパーノーマルな子どもたちは、人ではなく、問題に怒りを向けることが賢明ということをより理解し、答えを出すことにエネルギーを集中することに長けているのです。とはいえ、過酷で抗しがたいストレスがボク達にとってよくないのは、確かですが、立ち向かうことは必ずしも悪いことばかりではありません。それが「強化効果」といわれるもの。「タフネスモデル」とも呼ばれます。逆境に見舞われることが、実際にはボク達を強くすること、中程度のストレスを解決しようとする努力が、何も経験しないよりはいいことを示すあきらかな証拠もあるのです。

そして、何かに没頭することは、「フロー」状態をももたらすので重要なことです。特定の体験に意識を向け、小さなストレス要因はもちろんのこと、ひどい悪事からも背を背けることができるのです。さらには、スーパーノーマル(不死身で無敵な子どもたちは、超人的な能力を発揮して適応し、成功を収める)は

子どもの頃、ファンタジーに溢れる生活を送っています。彼らのファンタジーに共通するのは、不安や無力感、絶望から逃れようとする力であり、子どもたちは空想の世界でどんなものにでもなれる


のです。上述の点はおとなも年齢を問わず同様です。自分がいる世界以外の世界に没頭するための最も手軽な方法の一つは、本を入り口にすることだと。「作家はわれわれよりも優れたセラピストであることが多い」とも。

そして、最後にスーパーノーマルにとって、最も開かれた場所は未来ですね。上述のような逆境続きの子どもにとって一番恐怖に感じるのは、変化ではなく、人生が今のまま続くということ。スーパーノーマルな子どもたちは、未来についてファンタジーを現在の生活から逃げ出す手段としてカタルシス的に用いることだけではなく、これからの武装手段として先を見越して用いていたという先見性もあるのです。

忘れてならないのは、スーパーノーマルは、おとなも子どもも常に過覚醒状態となりその状態を止めることはできないということ。こうして警戒心は、もとの危険にさらされなくなってからも何年も、場合によっては生涯続くということです。

尚且つ、比較的最近明らかになったのは、子ども時代の逆境的体験についての研究では、その後の人生において疲労、関節炎、心臓病、癌、慢性的肺炎、自己免疫疾患など死に至る病を経験することとの間には、用量依存的な、一般的には直線的な関係があります。すなわち大人になってからの健康との関係性が明らかだということです。

そういった子どもたちに、どれだけ周りの人たちが手を差し伸べられるか?!なぜなら、トラウマを経験した犠牲者を助ける最も効果的な治療法は

子どもの生活において関係性の質と数を高めること

であるのです。

よく生きることは最高の復讐だ

という言葉、本書においてスーパーノーマルな子どもたち、そしてボクにも本書を通して一番突き刺さった文言であります。
現代のストレス社会において「何か生きづらい」と感じている方は、本書はきっと助け・励みになるはずです。是非、皆さんも本書を手に取って下さいませ。

木成り完熟、ほんのり赤い「紅八朔」好評販売中!!


その他、柑橘類が美味しい季節ですね。

【かんきつ・紅八朔】
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 ♦品種の特徴・・「八朔」は、江戸時代(1860年代頃)に広島県因島の恵日山浄土寺
で発見された柑橘です。ブンタンの雑種とも考えられています。
サイズは、今回当園が仕入れを行った2Lサイズで350g前後です。ほんのり赤い橙色
の果皮は厚めで、じょうのう膜も厚いので、袋を剥いて果実だけ召し上がっていただけます。

果汁は柑橘類のなかでは、やや少なめでしょうか。プリプリした歯ごたえのある食感。
香りが良く甘酸適和したさわやかな風味が特徴です。
また、ほんのりとした苦みを感じることがありますが、これは「グレープフルーツ」にも
含まれる「ナリンギン」という成分によるものです。
「八朔」の個性でもありますんね。

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◎価格 1ケース 約10kg 等級・青秀 サイズ・3L ¥3490-  です。

お問い合わせ先 ASAMANA・小林農園浅間サンライン直売店
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書評 『生命科学クライシス-新薬開発の危ない現場』

▼書評 『生命科学クライシス-新薬開発の危ない現場』

生命科学クライシス生命科学クライシス-新薬開発の危ない現場

著者 リチャード・ハリス
訳者 寺町 朋子
出版社 白揚社
発行 2019 03/28






《科学研究に対する期待を実際に下げれば、科学者も一般市民ももっと幸せになるだろう!!》
はじめに・・ネットサーフィンをしていたら、次にような記事に出くわした。「酵素で痩せる」=根拠なし。また、ラジオⅭMなど聴いていると、健康需要の高まりを反映し、これが何の病気に効く!!など非常に多いように思う。(実際に多いのだ)そして、最後にはこう言う。「ただし、個人差があります」と。本書はジャーナリスト魂を感じさせる素晴らし書籍だと思います。ノンストップで読了したが、自分の体は、日々のライフスタイルや腸内環境、適度な運動、食事、睡眠etc..でもし病気を患っても自然治癒力で治そうと思った次第です。

実際、現在7000種類にのぼる既知の病気のうち、治療法があるのはわずか500種類にとどまるうえ、多くの治療法には取るに足りない効果しかない。しかるに、

生命医学の進展は止まったわけではないが、無駄な努力のせいで進展は遅れている

といいます。では、そもそもの著者による本書の執筆の経緯は??次である。学術研究機関で25年過ごしバイオ業界の草分け企業アムジェンで「がん」の研究を率いていた、C・グレン・ベグリーがそこでさらに10年働いた後、もしかすると画期的かもしれないと思われた53件の論文を選んだ。そこで追試をさせた53件の独創的で興味深い研究のうち、結果を「再現」できたのは6件にとどまったそうだ。そう僅か6件「再現率」は一割をかろうじて超える程度でしかなかったのだ。しかも、アムジェンにて再現できなかった研究の一つは、ほかの研究者から2000回以上引用されていたそうです。それらの研究は、元の研究結果を実際には確認せずに、その研究を足掛かりとしたり、少なくとも参考にされていたりしています。この「再現性の危機」と呼ばれるものは、本書のテーマであるが、問題なのは、科学者の時間や税金を無駄にしているだけでなく、

人を欺く基礎研究が、病気の治療法の探索を実際に遅らせていること

だといいます。事実、本書によれば新薬の承認率は1950年代から下がり続けています。ただ、断っておきますが、生命医学研究者は、生命の新たな神秘を発見し、世界を人間にとってよりすばらしい場所にすることに意欲的で、おしなべて非常に賢い人たちです。著者は米国の名だたる学術研究機関の関係者にもインタビューしております。

では、何故上述したような「再現性の危機」が起こっているのでしょうか??その前にボク個人的な意見ですが、製薬業界⇒アメリカ金融業界⇒今はエディンバラ大学在籍のジャック・スキャネル氏に激しく同意しました。

科学者は運の悪さのせいにする傾向がある。だが、進化によって生体の多くは冗長なシステムが生み出されてきたので、複雑なネットワークになかで、たった一つんの経路を標的にしてもうまくいくことはまずありえない。

と。さらには生命現象は主として化学反応であり、化学反応はほとんど目に見えないからでもあるのです。他方、気がかりなのは、命に関わる病気を抱える人々が、自分の命が徐々に削られていくのをその目で見ていることであります。

「効果を再現できない、医薬研究約90%」。この現実とは、それは生命医学研究の文化的、構造的な問題を抱えているからに他なりません。研究者を振り回すバイアスが235種類からはじまり、測定機器の精度が悪い、人間での試験の元になる動物実験の評価となると、誰も臨床試験と同じ注意ような注意深さでは評価をしない点(科学者はそのような議論を飛ばす)、マウス実験で確認されたと言われますが、ジョンズ・ホプキンス大学のトーマス・ハートゥング氏が述べるように、「マウスから人間のことがどれほど予測できるかは、誰にもわかりません」、さらにはマウスでの実験結果によって、ある薬がほかの齧歯類でどれくらい効くのかを予測することさえできないという科学者もいます。

たとえば、エディンバラ大学の神経学者マルコム・マクラウドは脳卒中の場合、研究でよく用いられる若い雄の動物は、脳卒中で倒れた人間の高齢者の代わりとしてふさわしくない可能性があると述べています。また、スタンフォード大学の遺伝学者デイヴィス氏は炎症の生物学的メカニズムは、マウスと人間で大きく異なるようだったとも。

そこで。ボク達が普段服用している薬、若しくは服用する薬にはこんな事実が!!ほとんどの薬は「魔法の弾丸ではなく魔法の散弾」、つまりは

①特定の薬がピンポイントの正確さで働くという想定はしないほうがよいということ。
②多くの重要な発見が、ケージに入れられたマウスではなく病院や診療所の人間から始まるという

ことだとも。いはやは、ビックデータやAI、ビットコインのニュースなど目にしてると、一般市民も生命医学研究はかなり進歩したと勘違いしそうです。(実際かなり進歩したのですが、過度な期待は禁物でもあります)上述の2点は、ボク達市民が流行りの食事療法に過度に期待し過ぎる危うさも窺い知れますね。

まだまだ、落とし穴があるのです。細胞を用いた全研究の18~36%で誤認細胞株(その約4分の一がヒーラ細胞)、そもそも研究室で細胞を増幅させる行為そのものが、細胞を大きく変えてしまうのです。そう最たる例が、アメリカ国立がん研究所は1980年代、抗がん剤のスクリーニングを有用してもらう目的で、おもな細胞60株からなる「NⅭIー60」を作りが上げましたが、見出されたのはたった一つ、多発性骨髄腫(免疫細胞のがん)の治療薬ベルケイドだけだったのです。

また、こんな例もあります。それが「バッチ効果」です。これは生物学的な差異に見えるものが、実際にはデータの収集や解析を実施するごとに生じる誤差に過ぎないものを指します。たとえば、質量分析装置の仕方が日によって微妙に違う。バッチ効果がバカにできないのが、生物医学研究における再現性のない結果のうち、解析誤差のみが原因であるケースがほぼ4分の一にのぼるというのですから。

そして、米国では2009年以降、ポスドク(博士号取得後の研究)が終身在職権につながる職にたどりつけるのは約21%ほどだといわれています。これは何を意味するのか??科学者たちは「インパクトファクター至上主義」に傾斜していまうということです。参考までですが、医学雑誌の頂点に君臨するのが『ネイチャー』、インパクトファクター40を上回り、それに続くのが『セル』誌と『サイエンス』誌のインパクトファクターは、30を超えそうです。つまり、不正などが撤回されない理由の一つとして「間違いがキャリアアップや終身在職権、研究助成金の獲得の不利になる」からでもあったということです。

また、現実として今から30年前はNIHに申請された研究提案のうち、約3分の一が助成金に交付されていたが、その数値はいまや17%。その結果研究室の科学者が、実験をするのではなく、研究助成金の申請書を書くことにほとんど時間を費やしているという悲しい現実も記述されております。

では、ボク達を取り巻く医療現場の将来は??いずれはそれぞれの患者が、現在よりもはるかに詳細な遺伝子診断を受けるようになる。そして医師は、もはや200種類のがんを治療するのではなく、患者個人の遺伝子特徴や腫瘍の遺伝子パターンによって微妙に違う、それぞれの患者固有の何千種もの「がん」を治療するようになるかも知れないといいます。

本書の第10章(規律をつくり出す)の章では、上述の解決策の提言がなされております。「急がば回れ」というように、生物医学研究はペースを落とすべきで、取り組むプロジェクトを減らして、より注意深く研究するという環境づくりも対策の一つです。米国の医療は世界でもTOPクラスに入ると思いますが、その医薬研究の現場が詳細に描かれております。なお、我が国の現状については、大阪大学の蛋白質研究所の 篠原 彰氏が解説されておりますので、本書でご確認下さいませ。

まずは、現場を知ること。本書はその手助けになるはずです。皆様も是非手に取って下さいませ。

【関連書籍】

人体の冒険者たち
著者 ギャヴィン・フランシス
訳者 鎌田 彷月
出版社 みすず書房
発行 2018-07-18

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