ASAMANA manager's-blog

旬のフルーツリレー便

2019年03月

野菜苗の赤ちゃんたち♪「レタス&サニーレタス」


三寒四温の季節ですね。明日の軽井沢の最高気温は、4℃ほど。まだまだ、朝晩が寒いです。

さて、当園では〝野菜苗〝販売センターのスタッフが、可愛らしい野菜苗を育てております。

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【玉レタス】
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【サニーレタス】
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【とまと】
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その年の日本の世相を反映し象徴する「今年の一皿」に2016年は、「パクチー」が選ばれたことは記憶に新しいですね。そして昨年は「鯖缶」でした。2019年の今年の一皿には「野菜&フルーツ」から選ばれるのでしょうか?!

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*なお、当園の〝野菜苗〝販売センターの2019年の本開店は、4月中頃を予定しております。

お問い合わせ先 ASAMANA・小林農園浅間サンライン直売店
TEL  0267-24-1483
WWW: http://asamana-farm.com/

書評 『街間格差-オリンピック後に輝く街、くすむ街』

▼書評 『街間格差-オリンピック後に輝く街、くすむ街』

街間格差街間格差-オリンピック後に輝く街、くすむ街

著者 牧野 知弘
出版社 中央公論新社
発行 2019  01/10







世界的に不動産価格を俯瞰すれば、2018年の住宅価格は頭打ちのようです。情報出所:日本経済新聞。また、米ウォールストリート・ジャーナル紙によえば、「富裕層が足りない?高級不動産にだぶつき」などの記事も散見されます。さて、東京オリンピック2020を控えている 東京。本書では23区内において、その区内の輝く街とくすむ街 が著者の視点により本書に記述されております。

書籍『23区格差』、『駅格差-首都圏鉄道の知らぜらる通信簿』とは一線を画し、例えば、勝ち組の港区内において輝く街:「泉岳寺、青山」、くすむ街:「愛宕、芝浦」etc..と23区内が著者による視点で網羅されております。そんな著者は、ボストンコンサルティングや三井不動産などを経て、J-REITの上場にも携わったこともある不動産プロデューサーです。

大変わかりやすく記述されておりますので、ご興味のある方は是非本書を参考にしてみて下さいませ。

まず、この先東京で起こることとして、2点が挙げられております。

①:「相続ラッシュ」、②:「農地の放出」

です。それぞれ多少詳細に見てみましょう!!東京都区部の65歳以上の高齢者人口は2017年9月時点で初めて200万人を突破しました。著者によえば、都区部において大量の相続が発生し、賃貸や売却に出す人もかなり多いはずといいます。②についてはどうでしょう!!1992年に法律改正が行われており、東京や大阪などの大都市にある農地については農業を30年継続することを条件に課税を軽減するする措置が施されました。その営農30年の期限が最初に到来するのが2022年です。
つまり、期限満了と同時に売却や賃貸アパートなどに変わり、これらの農地がマーケットに供給される可能性は意外に高い というのも著者の見解によります。

さらには、インバウンドによる都内沿線において、凋落しているのが「東急田園都市線」です。たまプラーザ、鷺宮、あざみ野、青葉台とドラマや映画の舞台にも使われた憧れの住宅地も沿線住民が一斉に高齢化してます。それに加えこの路線には魅力的な観光地がない。

つまり「下り」線の魅力がない。

これは、非常にボクとしては勉強になりました。さらには、これからの時代のトレンドとして働き方改革も挙げられております。書籍『社員をサーフィンに行かせよう-パタゴニア経営のすべて』のような働きたい時に場所を問わず働く時代に突入しております。ゆえに、

会社までの「交通利便性」という要素はまったく意味をなさない

むしろ、「住む」「働く」「暮らす」などの要素が高いレベルで集積した「街」を志向する動きに変わることになるといいます。ゆえに「住みたい街ランキング」もさらに大きく変動することが考えられます。六本木界隈などでは、「職住近接」でしたが、今後は「職住一致」になるわけですね。それに伴い需要があると考えられるのが、たとえば、少々極端ですが夏は北海道で働き、冬は沖縄で過ごす、

二地域居住の需要が高まる

と考えられます。実際著者の知り合いも大の魚好きということで、東京都内から金沢へお引越しされたそうです。仕事前に徒歩数分の港から出船して釣りをし、仕事を終えた夜、朝に釣ってきた新鮮な魚を食べているそうです。このような、本来の「暮らし」としての住居需要が急速に高まっていきそうです。それでも、もし自分が購入した住居の価格の上げ下げが気になるようでしたら、次の点を考慮にいれておいて下さいませ。

街にはやはりその街が持っている歴史というものがしっかりと刻印されています。高層建物を建てて、豪華な共用部分や内装も変えても、建物自体は時代の変遷とともに劣化してしまう存在。街のブランドを決めるのは、建物ではなく、土地そのものが持つ価値だということを、歴史が教えてくれる

と。それでは、本書より少し23区内の「街間格差」を見てみることにしましょう!!
①東京五輪の核としても注目の街:渋谷区。輝く街「代々木上原、千駄ヶ谷」、くすむ街「幡ヶ谷、南平台」。②求められる「脱・高級住宅街」の世田谷区は。輝く街「三軒茶屋、二子玉川」、くすむ街「大蔵、世田谷」。完成された東横線に待つ未来の目黒区は、輝く街「目黒、中目黒」、くすむ街「柿の木坂、自由が丘」などとなっております。その他詳細については、本書をご一読下さいませ。

これからの「住まい」の考え方は、「駅から何分」「都心まで何分」という価値基準が揺らいできます。「住まい」、「働く」、「暮らし」と一体化した街選びになります。

とりわけ、東京都内の不動産にご興味のある方は是非、本書を手に取って下さいませ。

書評 『サバイバルボディー-人類の失われた身体能力を取り戻す』

▼書評 『サバイバルボディー-人類の失われた身体能力を取り戻す』

サバイバルボディーサバイバルボディー-人類の失われた身体能力を取り戻す

著者 スコット・カーニー
訳者 小林 由香利
出版社 白水社
発行 2018 09/20






《2020年~2035年は本質の時代!!》
前回の書評BLOG『ヒトは7年で脱皮する-近未来を予測する脳科学』にて2020年~2035年は本質の時代の到来であると述べました。本書もまさにそのトレンドです。

訳者の小林氏によれば本書の原題は「死ぬほどつらい試練は人を強くする」です。現代社会を〝生きる〝ボク達はテクノロジーの進歩のおかげで、極めて快適に過ごすことができます。そのスキルは逆に環境をも巧みに支配するようになり、何千年にも及ぶ進化の過程で選択された外部からの刺激がなければ、ボク達の体は常に不可欠な機能を果たせない。さらには体内のプログラミングは休止したままで何も生み出さない、その証左であります。

その弊害の一つが「進化的不適合疾患」と「肥満」です。すなわち病気・肥満です。少なくともこの半世紀、体を健康に保つ2本の柱は「食事」と「運動」だというのが世間一般の常識になってきました。どちらも不可欠に違いないのですが、同じように重要なのが

環境的なトレーニングを日課に組み込めば、ほんのわすがな時間で大きな成果を挙げられる

といいます。すなわち、現代を〝生きる〝ボク達は端的に言えば「温室育ち」過ぎるのです。ジャーナリストで人類学者でもある著者はメタボ、2歳からの続いていた自己免疫異常による口内炎が上述の環境的トレーニングのお蔭で解消しました。本書では最終的にアフリカ大陸の「キリマンジャロ(標高5、895m)」にほぼ上半身裸で登頂したのです。

そこで、本書のもう一人の主人公がオランダ人のヴィム・ホフこと別名「アイスマン」です。著者はこの人物をインターネットで裸同然の男が北極圏のどこかにある氷河に座っている画像を発見し、人類の可能性ではなく、身体能力を発見すべく、本書で掘り下げていきます。人間は年齢とともに不健康と不幸に向かって着実に下りていくのではなく、自分自身を変革できる というのが本書の趣旨なのです。

まず、ボク達はミトコンドリアなしでは生きていけません、しかしそれさえあればいいというわけではなく、本書によれば人間の体にはミトコンドリアにほかにも推定10兆に及ぶ微生物が存在し、種類は一万種、体重の1パーセントから3パーセントを占めるという。皮膚、体毛、血液の中にはさらに多くの微生物が存在します。研究の結果、細菌の構成比が大きく健康に左右することがわかっています。

では、アイスマンによる「ヴィム・ホフ・メソッド」とはどのようにものなのでしょうか!!①呼吸法、床に寝転んで30回早い呼吸をする。約1秒で息を吸うが、吐くときは力まず、自然に出ていくことに任せる。これを30回。そうすれば、血液中の酸素飽和度が急上昇し、ⅭO2はほとんど体内から外に排出される。②それから息を止めた状態での「パワー腕立て」を実施する。③寒さに身をさらす。シャワーををできる限り冷たくして1分間浴びるというものです。そしてこれを我慢すれば褐色脂肪が生みだされミトコンドリアが蓄積されるといいます。④「アクティブコンディショニング」です。著者が実際に行っているのが米・コロラド州が一面雪で覆われる頃、パンツ1枚とスニーカーだけでランニングをするそうです。いつもやっていることを極端な環境を作り行うものです。⑤褐色脂肪の活性化、⑥視覚化による瞑想など  です。

ただし、本書にもしっかり記述されておりますが、場合によってはけがをしたり、下手をすれば死亡する可能性があるので十分にご注意下さい。

上述のメソッドによりアイスマンこと当時51歳ヴィム・ホフの体は、オランダのマーストリヒト大学の研究者いわく、繰り返し寒さに身をさらしたことで、褐色細胞に比率を大幅に増やして平均的な20歳の若者の5倍の熱エネルギーを生み出せるようになったことを突き止めたそうです。

本書の目的は、何も極端に「キリマンジャロ」を上半身裸で登頂することではなく、安易に褐色脂肪組織(BAT)の脂肪を吸収する特性を活性化する新薬に手を出してはいけないという警告でもあります。何故なら副作用が必ず伴う恐れがあるからです。そして、本書でヴァージニア大学の神経科学者ジョナサン・キプニスが述べたように、

人が意識的に自分の免疫システムに影響を及ぼすことは少なくとも可能である

統合失調症のほか、精神的ストレスにような軽度なものさえ、人は免疫がらみのトラブルに陥りやすくする例が医学文献に溢れている。

楽観的でバランスのとれた環境にいる人は免疫の面で恩恵を浴することができるはずである

と。テクノロジーに囲まれた現在、アメリカにおいてOCR(障害物レース)が最大の娯楽産業であることをボクは本書で初めて知りました。生まれてからずっと暖房器具に守られて快適に過ごしてきた人は、神経システムが刺激を求めてきっと、うずうずしてはずです。


また本書を読了し、テクノロジーにより便利・快適になればなるほど、人生100年時代と言われる昨今、自己を脅かす免疫疾患が蔓延する未来を鑑みることもでき、改めて四季折々の地元産中心の食べ物をいただくこと、春・夏・秋・冬と人間本来の生活の重要性を感じさせる好書でした。

いつもより、薄着で外へ飛び出てみよう!!

「潜在的な身体能力を引き出す」方法の一部始終を明かした、著者による体当たりのサイエンス・ノンストップ・ノンフィクションを是非、皆さんも手に取って下さいませ。

【関連書籍】

食と健康の一億年史

著者 スティーブン・レ
訳者 大沢 章子
出版社 亜紀書房
発行 2017 10/28


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書評 『ヒトは7年で脱皮する-近未来を予測する脳科学』

▼書評 『ヒトは7年で脱皮する-近未来を予測する脳科学』

ヒトは7年で脱皮するヒトは7年で脱皮する-近未来を予測する脳科学

著者 黒川 伊保子
出版社 朝日新聞出版
発行 2018 12/30







《来るぞ!!本質の時代!!》
はじめに・・・この書籍を手にした理由(わけ)は、小職は前職を7年勤めあげ退社した経緯があったからです。その理由は病気でした。それはさておき本書によれば、離婚経験者に「離婚したのは、一緒に暮らして何年目?」というアンケート調査をした結果、7年目、14年目、21年目という7の倍数の年に、明らかに偏っていたといいます。転職経験者へのアンケート調査でも7の倍数で前述と同様の結果です。どうも、ボク達は何かを始めてから7年目に「一巡した」という、ある種の完逐感が降りてくるようです。また、本書によれば「アトピーは発症から劇的によくなる年回りがある。発症から7年目がそれ」とおっしゃるお医者様もいたそうです。

また、個人的なものとは別に、〝大衆全体に共通にサイクル〝があるといいます。

これこそが〝流行を作り出す〝「この世の謎」の正体

であると。著者は35年に及び人工知能と向き合ってきたといいます。本書の68-69Pに大衆共通のブレインサイクルが掲載されていますが、2019年を生きるボク達は 〈複雑期〉の最終章を生きています。2027年を境に〈簡潔期〉にいよいよ突入することになります。前述の複雑期実は、1999年から始まっております。右脳と左脳をつなぐ「離れたニューロン同士を結び付ける」神経軸索の束=脳梁が活性化している。これを「複雑系認知回路活性型」といいます。たとえば、デザインの感性を見抜きたいのであれば、複雑脳の「曲線」好きと簡潔脳の「直線」好き、複雑脳の「高さ」好きと簡潔脳の「横長」好きを押さえておくといいと著者は述べています。

大阪の「通天閣」の竣工が1956年、その56年後の2012年に東京スカイツリーが竣工していますので、黄金のサイクル約56年(7年×8)でトレンドが違ったかたちで戻ってきています(一周)。さらには驚いたことに、2016年にヤフーは週休3日制の導入を発表しましたが、1960年の56年前にかの松下幸之助が「週休2日制」の導入を口にしていたそうです。56年(7年×8)で歴史を違ったかたちで繰り返すならば、28年で真逆のことが起きているわけです。

2016年の28年前、大衆ドリンクの「リゲイン」のCMにより皆々が口にしていました。それが「24時間戦えますか??ビジネスマン、ビジネスマン」です。昨今でこそ、働き方改革が叫ばれておりますが、1988年のあの時代、いつまでも電気が消えない会社で、文字通りガンガン働いていた時代があったのです。パワハラなんのその、その時代は「簡潔系認知回路」のなせる業だったのですね。

その他にもラグジュアリーブランド・シャネルのトレンド、ウエディングドレス、車の型など

28年で正反対になり、56年で一周する

という黄金トレンドは本書の随所で登場するので、是非書籍でご確認していただきたいと思います。

さて、本書を読み終え、ボクにはパッと浮かんだトレンドが2つあります。まずは、アイドルグループです。今年1月ジャニーズグループの「嵐」が2020年をもってグループとしての活動を休止するというニュースが流れましたが、このアイドル解散や休止はどんどん増えること。2020-2027年が複雑期の終焉期と合致します。その後は、聖子ちゃんのようなアイドル時代の到来になるのかも。。

そしてもう一つ、2027年を境に感性トレンドは、簡潔型の「横長」の時代ですから、都心のタワマン、タワマン(タワーマンション)時代から、たとえば世田谷区や練馬区などで低層階の今より広い広い戸建て住宅に近いマンションを購入又は賃貸で借りることができる時代が到来する!! など2点パッと思いつきました。

繰り返しになりますが、2019年を生きるボク達はトラディショナル期に直面しております。プロの上質定番時代です。雑誌のこれでもかといわんばかりの付録も衰退、ユニクロの多色展開も絞られてくるのかも。。

2027年から突入する簡潔期には、「定型」と「グルーバル」が世界を席巻する

すると著者が断言しております。とりわけ事業家の皆さんは、今ここにない感性を、先へ先へ予測していかなければなりませんよね。大事なのは精神よりも知的好奇心です。

2020年から2035年は使命感に満ちたプロフェッショナルの、
凛々しい“上から目線“こそが、本質の時代です。

著者による「感性トレンド」まだまだ学ぶべきことが、数多くあります。
カバンに一冊この書籍。本書を是非手にとって下さいませ。

書評『腸と脳-体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか』


▼書評 『腸と脳-体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか』

腸と脳腸と脳-体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか

著者 エムラン・メイヤー
訳者 高橋 洋
出版社 紀伊国屋書店
発行 2018 07/18






《キーワードは多様性》
2018年に最も売れた清涼飲料水は、28年ぶりに首位が交代し「サントリー南アルプスの天然水」がトップとなりました。コカ・コーラシステムの「ジョージア」が首位陥落である。これぞ、健康需要の高まりのひとつの証左であろう。

また、もし皆さんに罹りつけの医師がいるのであれば、次のような質問をしたら、「結局何を食べればいいのですか?」っと。その医師はきっとこう答えるはずである「バランスの良い食事を心がけて下さい」と。まさにど真ん中の回答である。人によっては可もなく不可もなく、つまらない回答だと思うことでしょう。しかしながら本書をご一読いただければ、ご納得することと思います。

本書の著者はカルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の教授で、腸と脳のつながり及び慢性的腹の第一人者と知られている人物です。胃腸病学者の著者のもとへ、周期性嘔吐症候群、過敏性腸症候群などの患者のエピソードなどを交え非常に分かりやすく「脳ー腸ーマイクロバイオータ」の関係がまとめられております。しかし、まだまだ消化器系を脳とはほぼ独立した組織を見なしている医者も多く、現在ではこれら2つの組織が密接に関連していることが知られ、この知見は「脳腸相関」という概念に反映されております。

ボク達が肉を食べようが野菜を食べようが、腸内微生物は何でも消化できます。そして、食物を無数の代謝物質に変換します。この代謝物質が人体への作用について神経や免疫細胞を含めて消化管に重大な影響を及ぼします。また、血流に入って長距離のシグナル伝達に関与し、脳を含めたあらゆる組織に影響を及ぼすのです。この微生物が生成した分子が持つ特に重要な能力の一つは、到達した組織に「低悪性度炎症」を引き起こしうることです。肥満、心臓疾患、慢性疼痛、脳の神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病)の原因になると考えられております。

そこで、注目すべきは「第二の脳」といわれる腸管神経系です。食道から直腸に至る消化管壁を取り巻く、5000万個の神経細胞からネットワークです。しかも、複雑な消化機能のすべてが、腸管神経系内の固定配線された神経回路によって自律的に調整されている事実もあるほどなのです。つまり、消化管は栄養を吸収するだけの器官ではなく、人体でもっとも複雑な感覚器官の一つなのです。

特筆に値すべきなのは、その量とその総面積です。消化管の「内受容性の」情報は、ボク達の皮膚の200倍、バスケットボールのコートをほど同じ大きさになるほどです。これは驚愕の事実ですね。しかもこの腸内微生物は任意の2人のあいだで5%を共有しているにすぎません。ボク達の腸内微生物には800万にのぼる微生物遺伝子が存在し、この数はヒトゲノムを構成する遺伝子の400倍に相当するのです。

そこで、問われているのが「食の役割」ですね。その前に本書のP211ページに驚くべき事実が・・・。

典型的なアメリカの食生活が身についている人は、先史時代の生活様式を維持する人に比べて、腸内微生物の多様性が最大で3分の一ほど失われています。その数値とヤノマミ族が住むアマゾン川流域の熱帯雨林中心に、地球の生物多様性が1970年以来30%ほど失われきたという概算とほぼ同じ数値だったのです。

そして、ボク達の人体内の微生物種と、その微生物が生成する代謝物質の多様性の豊かさは、感染、抗生物質、さまざまな食品添加物、発がん性の化学物質、慢性ストレスに対抗する回復力の向上に結びつくのです。本書では、もう一つ驚くべき事実が、それは

人は、2歳半から3歳になるまでに、生涯保たれるマイクロバイオームが形成される

ということです。母親のよる分娩法、母乳の期間等が影響しています。詳細については本書をご一読下さいませ。

では、今を生きるボク達がすべき食餌方法とは何か??
①腸内微生物の多様性を最大化するために、動物性脂肪の食材を控え魚、植物性食品を摂取する。②大量生産された食品や加工食品は避け、なるべく有機栽培で育てられたものを食べる。③発酵食品(納豆、味噌、ヨーグルトetc..)を摂取する。④自然で有機的なマクロバイオームを育成する。⑤食べ過ぎないなどです。さらには、よく引き合いに出される地中海式食事法です。モノ不飽和脂肪酸、果物、野菜、全粒穀物、低脂肪乳製品、適量の赤ワインですね。

逆に極めて危険な食べ物は何か??
①人工甘味料、②食品乳化剤、③活性グルテン です。
とりわけ、②の乳化剤は食品業界によりマヨネーズ、ソース、キャンディ、食パンなどのさまざまな食品に、安定化のために乳化剤を加えているそうなので注意が必要です。

多様性を好むボク達の腸内細菌叢。ヒトマイクロバイオームは、およそ50万種類の代謝物質を生成します。その代謝物質の多くは神経系に影響を及ぼします。微生物の中なかにはホルモンや神経伝達物質、あるいはその他の代謝物質の多系に直接作用する分子を含め、50種類ほどの代謝物質を産生するものもあるといいます。また代謝物質は、他のの代謝物質との結合様式にしたがって、最大4万までのバリエーションを持ちえます。

上述のことから、この食材だけ食べていれば健康!!ということではなく、多様性に富む食材を摂取することが、健康寿命を延ばす決定打となりえることだと思われます。

どの食材を選択するかは、「腸に訊け!!」ですね。腸の制御性T細胞は、免疫機能にも大きく関与しております。詳細については書籍『美しき免疫の力-人体ネットワークを解き明かす』をご一読下さいませ。「脳ー腸ーマイクロバイオータ」が気になる方は是非、本書を手に取って下さいませ。

【関連書籍】
腸科学――健康・長生き・ダイエットのための食事法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
著者 ジャスティン ソネンバーグ
訳者 鍛原 多恵子
出版社 早川書房
発行 2018-05-17

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