2012年04月
■書評 なぜデザインが必要なのか -世界を変えるイノベーションの最前線
なぜデザインが必要なのか
著者 エレン・ラプトン・カーラ・マカーティ他
訳者 北村陽子
出版社 英治出版
発行 2012 01/31
2012.04.04の本ブログで「インサイド・アップル」の書評を掲載した後、ものすごくデザインに興味が沸き、今日はこの書籍をセレクト。
本書は2010年ニューヨークで開催された大好評のデザイン展「Why Design Now?(なぜデザインが必要
なのか?)がもとになっている。
今、日本では喫緊の課題のエネルギーや移動性、豊かさなど44か国から集められた138のデザイン・イノベーションの数々はそれぞれストーリーもあり見事である。
そして、今回のデザイン展の目的は、「人々がより健康に、より快適に暮らし、人と人の住む地球上の生態系とか調和を取り戻す」ためのデザイン展である。
過日、大手電機各社の決算が発表されたが、モノづくり大国の威厳に?が付くそんな決算発表だ。
しかし日本のMottainai(もったいない)この文化は今回のデザイン展に合致するものだとボクは思う。
さて本書の内容であるが、たとえば米国はこの30年で住宅が約45%広くなった。それに伴い米国での二酸化酸素の排出量の世界の50%は責任があり、世界消費の70%がアメリカである。
その一方世界では、4人に1人の割合で電気すら使用できない環境下で暮らしている。
そこで画期的なデザインの登場である。38億年の進化を経た適者生存をプロセスでワカメのような海の波力を利用したクリーンエネルギーや、地上での風力発電のスペース問題を解消した「凧」を真似たエネルギーなど非常に想像力に富んでいる。
また未来都市構想では、首都アブダビのアラブ首長国連邦で、2013年にはゴミゼロ都市と水の利用を現在の1/7にする工夫が凝らされている。上記のような環境に配慮したイノベーションが多岐にわたる。
そして、先進国と発展途上国の違いが鮮明なのが「健康」の対する、ポジションである。ネガティブがイメージの補聴器は3.3cmのピアスようで機能性と美を兼ね備えた医療ケア、盲導犬のような「学習する杖」は、GPS機能付きで本人の日々の行動を記憶していく。他方、途上国での深刻な問題は、食料と水である。これが解消できれば女性の社会進出や教育に時間を活かすことができる。インドでは、地元の素材を使い一日約5時間節約きる自転車トレーラーを開発した。自給自足と時間の節約、地元の雇用促進と一石三鳥である。
日本からは、6点が選ばれホンダの下半身サポートシステム、三宅一生氏のデザインした紙を束ねて開くと椅子の「キャベツ・チェア」、無印良品はブランドとして高い評価を得ている。
とりわけ先進国はデザインを活かした自給自足のもったいない文化が、結果さまざまな分野に応用され国家戦略の強力な手段になるかも知れない。
今、日本はまったなしのデザイン力が試される時が来たのかもしれない。
そこで、今日入荷した柑橘は2品種です。
「紅甘夏」 産地:熊本県 田の浦柑橘組合
昭和50年に熊本県にて誕生した品種です。川野甘夏の改良品種で、紅の濃い果皮と果肉が特徴です。
甘夏より多少濃い甘夏です。
「サンフルーツ」 産地 三重県・御浜町
別名:「新甘夏」とも呼ばれております。
1月~2月に採果したものを30日以上貯蔵をし熟成を待ちます。
糖度・酸度検査を行い、基準に達したものから出荷されます。
上記の2品種は、朝ジューサーにかけて1日のリフレッシュをスタート!
休日の午後は、デザートに!
仕事帰りには、ビタミンC補給にいかがでしょうか!
2品種 価格は L玉 4玉(1袋) ¥399-です。
医者は現場でどう考えるか
著者 ジェームズ・グループマン
訳者 美沢惠子
出版社 石風社
発行 2011 10/01
ボク達が病院にいくと、医師には必ずと言っていいほど先生と呼ぶ。そこに全く違和感はない。
それだけ権威のある職であることは間違いない。
著者は、医師歴30年。自らの誤診をすべて把握しているそうだ。その医師がなぜ本書の執筆にあたったのか?それは、医療機器等の発達etc..により「自分で考えることを放棄し、判定システムやアルゴリズムに、自分に代わって考えてもらう医師たちが増えてきた」と警鐘をならし、とりわけ医学生や若い医師に読んでいただきたいとの事。しかし、本書はいくつか事例が描かれているが、もし自分が患者の立場だったといろいろ考えさせられた。
ずばり、タイトルにもあるように時に医師は、思考のエラーやバイアスとが治療に与える影響がある。
実際著者自身も、いろいろな経緯があり字が書けなくなるほどの手首に激痛が走り、3年間で6人もの外科医に診察してもらったそうだ。新聞などに掲載されている「良い病院で・・」皆同じように、MRI写真とX線写真から診断がはじまる。そして著者が一番がっかりした医師が、院内の廊下に所狭しと壁に記念額が飾ってあった医師だったそうだ。「軟骨石灰化症」と診断され「関節線検査」にサインを求められたそうだ。そう、ほとんどコミュニケーションなしに。これでは著者はお冠である。最後に出会った医師は違った。物を握った際のレントゲン写真と怪我をしていないほうの手首も写真を撮影した。
では、ここでの誤診及び著者が納得しなかった点は?
①コミュニケーション「患者は一人ひとり独自の物語でやってくる」
②探究の達成感「病名に合致して満足」
③箱の中だけで考える「既成概念に捉われた考え方」
④指示に従わない患者に嫌悪感を抱く。
この中には、メジャーリーガーの腕を手術した医師も含まれている。結果著者は、多面的にとらえた最後の医師に手術を任せる。実際上記のようなことが現場で起こっているのだ。しかしどの医師も患者で溢れるほどの医師たちである。
そう医師たちも人間であり、感情の生き物である。決して医学の知識が足りないということではない。では、この認証エラーの防患の防衛策のひとつが、「この病気は、もしかして一つだけではないのではないですか」と質問することである。これにより、医師は、「無用な複雑さを避け、より簡潔な理論」の殻を破ぶられるのだ。
昨今、高齢化に伴い我が国は医師不足が深刻と耳にする。よって医療現場では効率化が求められる。
片目でパソコンを目にし、時間との戦いである。よってコミュニケーションの時間が省かれるケースが多く、著者のデータでは、患者が話をして18秒後にまた医師が話に割り込むそうだ。
よって我が国含め医師不足は、先進各国の喫緊の課題ではないだろうか。このままだと医療ミスが容易に起こりうることさえ考えられる。
他方、熟練した医師に共通するのは、患者とのコミュニケーションを重視し医師と患者が最良のパートナーとなり、その医師はこの患者に一体何ができ、何ができないのかと見極められるそうだ。もちろん人間同士相性もある。また前例のない症状のケースは、「見た目はアヒル、歩き方もアヒル、鳴き声もアヒル、さてこの動物は?」
アヒルではないのだ。人間の考えられる病気を発見するまで思考し、また最適の治療方法思考する。
だからこそ、やはり医師は権威ある職と言っても過言ではないのだ。
「間違える医師、間違えぬ医師」の差は、思考方法であたったのだ。
医療現場のルポの本書は、刺激的であり、時にもしその患者だったらと考えさせられる自己予防書となった。
ASAMANAマネージャ...