■ 逆パノプティコン社会の到来 ウィキリークスからフェイスブック革命まで
逆パノプティコン社会の到来
著者 ジョン・キム
出版社 ディスカーバー・トゥエンティーワン
発行 2011 04/15
世は「スマホ」ブームである。そしていよいよ、PC時代から手のひら経済圏とも言われている。
そこで今日は、この書籍をセレクト。
まずは「パノプティコン」はじめて知った言葉である。実は、この言葉あの「ミシェル・フーコー」が書いた
「監獄の誕生」からきていて、日本語では、「全展望監視システム」と訳される。
本書は内部告発サイト「ウィキリークス」と「フェイスブック革命」の2部構成となっていて、副題には
「ジョン・キムのハーバード講義」とあり今のネット社会のからくりが平易に描かれている。
本blogの2011.04.19では、「ウィキリークス アサンジの戦争」の書評を書いたが、著者も違えば当然
視点も違い、本書の特徴は既存のメディアと告発サイトにフォーカスされている点である。
日本は、まだ大手メディアの影響が多大だと著者は指摘しその理由は「ライブドア」事件がトラウマ
であろうと推察している。著者の生まれは韓国。韓国と言えば、ソーシャルメディアの普及率は群を抜く。
「ウィキーリークス アサンジの戦争」でも書いたが、当初ジュリアンアサンジュは自ら得た情報を、ネット
で公開していたがそれから進化し有力紙、告発サイトが、ジュリアン・アサンジュの条件付きで、いわば
情報共有しあうようになる。
『ストライサンド効果』って何?
米女優のバーブル・ストライサンドがネット上の航空写真に自宅を公開され、文句をつけた結果、皮肉
にも逆に大きな話題となってしまった事件である。
皆さんがこの女優の立場ならどんな対応をしたであろうか?ボクも考えさせられた。
これは、当然国家の機密文書にも言えることで、第三者(事前に承諾をともわない)情報の公開に対し、
なんらかの隠蔽工作を行うと結果的に認知度が高まってしまうことである。
米国では、米国外交公電が一斉に暴露されてが、本書では、次なるターゲットは大手金融機関ではないか
と指摘している。同じ事は大手・グローバル企業にも起こりえることは容易に推察できる。
それでは、話を「フェイスブック」に移そう。日本の総理大臣のようにコロコロと変わる政権ではなく、24年
も政権執権したチュニジアのベン・アリ政権は幕を下ろした。皆さまもご存知の「ジャスミン革命」である。
このきっかけは、ある若者ひとりの焼身自殺そして相次いで5人の若者も・・
ベン・アリ政権は、事前にブロガーやWebサイト運営者そして既存のメディアには、その時かなり警戒網
をひいていたらしいが、その穴が「フェイスブック」だったわけである。チュニジアの実に5人に1人は
フェイスブックを活用しているそうだ。これが全世界の社会に与えた「フェイスブック革命」といわれるよう
になった所以である。
しかし、「ジャスミン革命」や今では「アラブの春」と言われる、今回の出来事はウィキーリークス→
フェイスブック・ツイッター→ハッカー集団アノニマスと連動しての総攻撃である。
そして、独裁政権を崩壊させてわけである。まさに歴史と社会を動かしたわけである。
想えば、米国・現オバマ政権は、ソーシャルネットワークを駆使し選挙に勝利したわけであるが、今は
かなり複雑な心境ではないだろうか?
他方、政局大混乱の日本は、首相を引きずり下ろしが叫ばれているが、Better than nothing
(居ないよりはまし)で、有権者が甘かったのかわからないが、「俺が日本を変える!」
そんな政治家がいない。国民、とりわけ被災者の方々には悲劇。
果たして日本では、「SAKURA」革命が起こる日は来るのであろうか?!
逆パノプティコン社会の到来
著者 ジョン・キム
出版社 ディスカーバー・トゥエンティーワン
発行 2011 04/15
世は「スマホ」ブームである。そしていよいよ、PC時代から手のひら経済圏とも言われている。
そこで今日は、この書籍をセレクト。
まずは「パノプティコン」はじめて知った言葉である。実は、この言葉あの「ミシェル・フーコー」が書いた
「監獄の誕生」からきていて、日本語では、「全展望監視システム」と訳される。
本書は内部告発サイト「ウィキリークス」と「フェイスブック革命」の2部構成となっていて、副題には
「ジョン・キムのハーバード講義」とあり今のネット社会のからくりが平易に描かれている。
本blogの2011.04.19では、「ウィキリークス アサンジの戦争」の書評を書いたが、著者も違えば当然
視点も違い、本書の特徴は既存のメディアと告発サイトにフォーカスされている点である。
日本は、まだ大手メディアの影響が多大だと著者は指摘しその理由は「ライブドア」事件がトラウマ
であろうと推察している。著者の生まれは韓国。韓国と言えば、ソーシャルメディアの普及率は群を抜く。
「ウィキーリークス アサンジの戦争」でも書いたが、当初ジュリアンアサンジュは自ら得た情報を、ネット
で公開していたがそれから進化し有力紙、告発サイトが、ジュリアン・アサンジュの条件付きで、いわば
情報共有しあうようになる。
『ストライサンド効果』って何?
米女優のバーブル・ストライサンドがネット上の航空写真に自宅を公開され、文句をつけた結果、皮肉
にも逆に大きな話題となってしまった事件である。
皆さんがこの女優の立場ならどんな対応をしたであろうか?ボクも考えさせられた。
これは、当然国家の機密文書にも言えることで、第三者(事前に承諾をともわない)情報の公開に対し、
なんらかの隠蔽工作を行うと結果的に認知度が高まってしまうことである。
米国では、米国外交公電が一斉に暴露されてが、本書では、次なるターゲットは大手金融機関ではないか
と指摘している。同じ事は大手・グローバル企業にも起こりえることは容易に推察できる。
それでは、話を「フェイスブック」に移そう。日本の総理大臣のようにコロコロと変わる政権ではなく、24年
も政権執権したチュニジアのベン・アリ政権は幕を下ろした。皆さまもご存知の「ジャスミン革命」である。
このきっかけは、ある若者ひとりの焼身自殺そして相次いで5人の若者も・・
ベン・アリ政権は、事前にブロガーやWebサイト運営者そして既存のメディアには、その時かなり警戒網
をひいていたらしいが、その穴が「フェイスブック」だったわけである。チュニジアの実に5人に1人は
フェイスブックを活用しているそうだ。これが全世界の社会に与えた「フェイスブック革命」といわれるよう
になった所以である。
しかし、「ジャスミン革命」や今では「アラブの春」と言われる、今回の出来事はウィキーリークス→
フェイスブック・ツイッター→ハッカー集団アノニマスと連動しての総攻撃である。
そして、独裁政権を崩壊させてわけである。まさに歴史と社会を動かしたわけである。
想えば、米国・現オバマ政権は、ソーシャルネットワークを駆使し選挙に勝利したわけであるが、今は
かなり複雑な心境ではないだろうか?
他方、政局大混乱の日本は、首相を引きずり下ろしが叫ばれているが、Better than nothing
(居ないよりはまし)で、有権者が甘かったのかわからないが、「俺が日本を変える!」
そんな政治家がいない。国民、とりわけ被災者の方々には悲劇。
果たして日本では、「SAKURA」革命が起こる日は来るのであろうか?!